静かな夜

いつもより
静かな夜に


なおさら
ひとりが

あなたはひとりだと



教えてくれる



ぽかんとあいた穴


ぽつんと
ひとり



自分で選んだひとりが


こんなにも
静かな夜に



私を
寂しくさせる


父の渡る虹の橋は

愛しい子が
渡ったあの橋だろうか


もう
もとには戻らないであろう
その足で

父は
虹の橋を渡れるのだろうか



静かな夜が
私にくれた


決断の瞬間に
戸惑いながらも



冷たく笑う私に



私が
驚く


静かな夜に




父の顔が
ぼやけていった



静かな夜


静かに
静かに


凍りつくように


静かに

静かに