(注)
・ネタバレ含みます。未観賞の方はご注意下さい。
・批判的な表現があります。作品が大好きな方は読まない方が良いかもです。


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先日、話題の映画「君の名は。」を観に行ってきました。
土曜日だったこともあり渋谷の劇場は超満員でした。

こちらの映画、
何よりも風景描写がとてもきれいで素晴らしかったです。
特に、黄昏時の湖に太陽の光が反射してきらめく風景には心動かされました。
また、瀧と三葉が幾度の入れ替わりを通して、自分の恋心にふと気付くシーンも良かったと思います。

残念だったのは、三葉とお父さんの関係が中途半端な描かれ方だったこと。
複雑な心境や親子愛など、もっと盛り込んでほしかったです。

あと、ラストシーンもイマイチでした。
脳の記憶としては忘れてしまっても、心のどこかに残っている大切な誰かを想う気持ち。そんな言葉では言い表せない想いがラストシーンの二人の涙なのではないでしょうか。
個人的には、出逢えた瞬間お互い涙があふれ、画面が暗転した後「君の名は。」というセリフだけが流れる方が良かったと思います。

そして、一番腑に落ちないのが「過去を変えることによる代償はないのか」という点です。
三葉を含む糸守町の500人の住民は、3年前の彗星事故で亡くなっています。それはまぎれもない事実です。
過去を変えたい、犠牲者を出したくない、三葉に生きていてほしいと願う気持ちは分かりますが、過去を変えることはそんな容易いことではないでしょう。
本来存在しないはずの人が存在する未来は、その人と関わるすべての人の道筋を変えることになります。
それは、例え神秘的な土地であったとしても、三葉の家が代々不思議な現象を体験する家系であったとしても、単純なハッピーエンドで片付く問題ではありません。
その辺の作りがどうにも浅く感じて、結局感動も出来ずにモヤモヤが残る結果となりました。

以上いろいろ書かせてもらいましたが、作品の題材自体は好きなので、観て後悔はありません。
キャストの皆さんの熱演やRADWIMPSの曲も素晴らしかったと思います。
同じ映画を観ても、人それぞれ思うこと・感じることは違うので、ご覧になっていない方はぜひ。