横山さんが説明したり菊地さんが叱られたり色々あって、病室に案内された。
「…どうも」
部屋に入ると、色んな人がこちらを振り向いた。
「由依~!」
小柄な小動物っぽい女性が横山さんに後ろから飛びついた。
「ほぁ!?」
謎の声を出す横山さんと声が面白かったらしく笑う菊地さん。
「由依~、暇~」
「優子さんは激しく動いたらあかんねんから座るか寝るかしてください」
小柄な小動物っぽい女性は優子と言うらしい。
「ケチ」
「ケチちゃう!ってかそれ関係ない!」
「由依、乙だな」
「あ、才加ちゃん!」
筋肉質で彫りの深い顔をした女性。
「優子、そろそろ座るか寝るかしとけ」
「やだ」
「死にたいなら止めないぞ、優子」
「死にたくないけど動くし!」
「矛盾生じてますよ優子さん」
横山さんの冷静ツッコミ。
「まぁ、大丈夫だ…って…」
優子さんの顔が険しくなった。胸を抑えて苦しそうだ。
「ほらな、言わんこっちゃない」
呆れ顔の才加さん。
「は……っあ……あぁ……あ…!」
「優子さん!薬と水っ!」
手早く薬と水を用意して手渡していた。
「はぁ…あ…っく!」
薬と水を震える手でひったくるように取り、服用した。
「大丈夫か、優子」
「…っ…はぁ、助かった…」
「ったく、言わんこっちゃない」
「…うるせぇ」
