ひばりの朝

ヤマシタトモコさんの作品です。
この方が描く人物像ってとても現実味があり、あー！あるある。とか、そんな人いるなってなる。

魔性の女の子　ひばりちゃん。
14歳という年齢にしては肉感的な女の子です。

周りからもその容姿のせいで浮いた存在であり、女子からは嫉妬の眼差しで、男子からは欲望の眼差しで本人が意図しないところで、彼女という存在が出来上がってきてしまいます。

けど彼女、とっても普通の女の子なんです。

そんな普通の彼女が周りの視線から受ける現実にただ諦めていくしかない状況に
ただただ、苦しくなるばかりの物語で、誰も助けてなんかくれません。

みんな彼女を知らない。

こんなに悲しい物語なのに、こんな悲しい悲劇なのに

現実であっておかしくないリアルさに、すべて共感してしまいます。

ひばりという主人公にというよりも、ひばりを追い詰めていく周りの人物に共感してしまうのです。

悪意のない悪意が突き刺さる感じ。
いや、悪意ある悪意か？
この作品を見て、人なんてフィルター越しでしか評価や価値を見出せないんじゃないかと思ったんです。

潜在的に本能的に気付きつつも、それを考えることってしたことがなくて。

気に入っている人、気に入らない人。
至極当たり前に評価を日常で私たちはしている。
私という存在の中にあなたはいるか、いならないか。
興味がなければ探らないし、存在をないものにしてしまいますもんね。

よく知りもしない人の不幸を見たとしても、助けようと行動に移せるかなんて・・・
私も目を伏せてしまうかもしれません。ないものとしてしまうかも。

ブラックコーヒーのように真黒な感情を自覚して生きてる人間なんてほとんど存在していなくて、この漫画を通して、自分の心の黒い部分を見せられたようで、
とっても苦しくなりました。

たまらなく不快　
私って生きている価値あるのかな？
と思えてきてしまうぐらいの鈍い衝撃が走ります。

過呼吸漫画。

久々に衝撃が走りました。

嗚咽して泣いてるにも拘らず慰めるどころか、泣いて息苦しい体にみぞおちを思いっ切り殴られたような、痛いを通り越した苦しさ。

いろんな登場人物の視点で描かれているので、読んだ人はどこかで心の黒いしこりにひっかかるはず。

コンプレックスの宝庫です。
コンプレックスも隠すとかでなく味わう時代なんだと思いました。

ヤマシタ先生は、女性側ももちろんのこと、男性側の心理も深く熟知されているように思いました！

すごいなー。

そんなこんなな薄い感想文となってしまいましたが、人間描写重視の物語が好きな人には持って来いの作品なので、そんな方には男女問わずお勧めでございます。

漫画というよりも、もはや邦画！

漫画の実写化反対派ですが、この作品が実写化された観ちゃうだろうな。


配役は・・・池脇千鶴さんでどうでしょう？(笑)

ぴったりだと思うけどなー。　実年齢とひばりの年齢が伴ってないかもしれませんが・・・
それでも私はハマると思います！

中学生が演じてもねぇ・・・。ぴったりな人いるのかな？
熱弁しちゃいました　へへへ。

私がそうまでして拘っている理由は

「リップスティック」というドラマをだぶらせている影響もあるんですけどね(笑)
リアルタイムで見てたからさ～！

富子は伊藤歩さんでどうでしょうか。

またまた「リップスティック」(笑)

「リップスティック」も素敵なドラマでしたよ！

今はああいうドラマってないもんね。
寂しい時代です。

だいぶ脱線しましたが、心にグサッと刺さる漫画が好きで読んでいない方！

全2巻です。ぜひ！読んでみてください～★