先日、👱🏼♂️「自宅で女児ともみ合いになって、女児がケガした」という小学四年生(10歳)の女の子が運ばれて来ました
「子供ともみ合いになって、、、」ってしかも小学四年生の女の子って、今虐待死で大ニュースになっている事件とシンクロしすぎていて、一瞬背筋が寒くなりました
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娘ともみ合いになることってそんなにあるものなんですかね?
しかも、小学生ですよ

今回のケースでも最初から虐待の可能性を念頭におきながら対応しました
その女の子には40代の母親👩🏻🦱と30代の男性👱🏼♂️(母親の彼氏)が一緒に付き添って来てました。
そしてその母親の腕の中には生後1ヶ月の赤ちゃん👶🏻が抱かれていました。
女の子は口の中が切れている様子で、ティッシュで口の中を押さえていました。

と医師が大人たちに質問を投げかけました。
しかし、誰も医師と目を合わせず口を開こうとしません。
母親がしびれを切らし
👩🏻🦱「一体何があったの?」と男性の方を見て言いました。
男性は
👱🏼♂️「んー、なんかごちゃごちゃしてて、
」
とだけ答えました。
母親が今度は女の子に向かって
👩🏻🦱「今回は何が原因だったの?」と聞きました。
女の子は、一生懸命何かを言おうとしていましたが口の中をケガしているので、うまくしゃべれません

とりあえず、母親と男性からは退室してもらい、女の子の診察と治療を優先させることになりました

女の子の口は下唇が切れていて、下の歯が折れて歯茎までザックリ切れていました

女の子は治療中も泣きもせず、ただ取り囲んでいる私たち医療者をとても警戒しているように、そして怯えているようにも見えました
私たちは、みんなあなたの味方だよ。何があっても私たちはあなたを守るから安心してね
そう声をかけると、女の子は警戒しながらも、コクンと頷きました
治療を歯科口腔外科の先生に依頼し、その間に救急科の医師、看護師で協議したあと、今回のケガの状態、母親と男性の態度、女の子の大人への警戒心の強さから虐待の可能性が高いと判断し院内虐待防止委員会の小児科医
に連絡
に連絡医師はすぐに駆けつけてくれました。

母親は、赤ちゃんが泣き止まないから
と男性を病院に残して帰ってしまいました
と男性を病院に残して帰ってしまいました
小児科医師が男性を個室に案内し話を聞きました。
医師
「こんばんは。
私は小児科医の◯◯と申します。
今回はお口のケガですが、お子様のケガの場合、当院では小児科医も一緒に診察させていただく決まりになってますので、参りました。
よろしくお願いします。
今日は大変でしたね
そちらの方はおケガはなかったですか
」
医療者のスタンスとしては、相手を責めるのではなく、あくまで中立な立場で出来る限り先入観を排除した状態で相手の主張を受け止めますという姿勢でいることが重要です

男性も医師の態度にホッとしたようで、次のように話し出しました。
男性👱🏼♂️「私の方は大丈夫です。
私と母親とのペアリングを思いっきり噛まれてついカッとなって「てめー!黙ってればいい気になりやがって!いい加減にしないとしばくぞー!!」って気づいたら胸ぐらを掴んでました。
そしたら、ボキって歯の折れる音がして女の子の口から流血してきてそれで慌てて救急車を呼んだんですよ。」
医師
「なぜ女の子はペアリングを噛んできたのですか?何かあったのですか?」
男性👱🏼♂️「私が自分の赤ちゃんを抱いていたら、赤ちゃんが泣き始めて、それで女の子が「お前のことが嫌いだから泣いてるんだ!抱き方が悪いんだ!赤ちゃんを離せ!」って言ってきて、いつものことだと思って無視してたらあの子が「離せって言ってんじゃん!」と言って私のペアリングを噛んできたんです。」
医師
「いつものことというのはどういったことがいつものことなのですか?」
男性👱🏼♂️「女の子は、前の旦那と母親とのこどもで自分(男性)の事を嫌っていて小競り合いみたいなもはいつもあるんです。
「前のお父さんが良かった」とか「無駄に太ってて邪魔」とか嫌味を言ってきたり、通りすがりに「死ね!」とか「消えろ!」とかの暴言を吐いたり、叩いたり蹴ったりしてくるのは日常茶飯事でそれもムカつきますけどなんとか我慢しているって感じです。」
医師
「女の子が今日みたいなケガをしたことはありますか
」
男性👱🏼♂️「ケガをしたことはないんですが、母親と自分がペアリングを買って着けた日にいきなり大暴れして制止できずどうしていいかわからなくなって警察を呼んだことがあります。そのあとも大声で叫んだり精神的に不安定になってしまって児童相談所にも相談しました。とにかく本人を刺激するようなスイッチを入れないようにと言われたんですが、自分と彼女の間に子供が生まれてしまって、最近また不安定になってしまって困ってたんです。」
医師
「そうだったんですね。
女の子としてもめまぐるしく自分を取り巻く環境が変わってしまって色々な気持ちや現実が処理できなくて、あなたに当たるしかないのかもしれませんね。
女の子とお母さんの関係はどうですか
」
男性👱🏼♂️「母親の方は良くも悪くも女で、荒っぽくて感情でしか生きれない人です。
すぐに女の子を叩いたり、モノを壊したり、女の子も母親には逆らわずおとなしくていい子を演じているようです。」
ここで、女の子の実の父親が登場👨🏻🦱
母親から連絡があり駆け付けたようです。
両者の合意のもと同席することになりました👥
医師
「お父様は、女の子とは現在も関わりがあるのでしょうか。」
父親👨🏻🦱「親権は母親にあるので、母親と住んでいますが、私は月に1回2時間程度会うのを許されてます。今月も会いました。」
医師
「お父様はいつまで女の子と一緒に住んでいたんですか?」
父親👨🏻🦱「3年前までです。」
医師
「私たち病院側としては、お子様の安全を第1に考えております。
最低でも一泊入院していただいて、ケガの様子を見たいと考えているんですが、入院の同意は親権のあるお母様にいただかないといけません。
私の方から今ご連絡して同意を得るということでよろしいでしょうか。」
父親👨🏻🦱「たぶん今、先生が入院って言ったら、荒れ狂ってまともに話できないと思います。
あー、考えただけで怖い、怖い。」
男性👱🏼♂️「私の方からうまく言いますよ。先生が電話する前にまずは私に電話させてください。」
医師
「わかりました。
よろしくお願いします。」
その後、母親は無事に入院に同意し、女の子は入院することになりました。
翌日、虐待防止委員会のメンバーが集結し、児童相談所に通報。
児童相談所は、要注意家庭としてすでに学校とも連携し週1回情報を共有しているとの事。
今回のケガを受け、退院後女の子を保護することになりました。
母親は面会に来ましたが、病室の女の子にお菓子などを差し入れると赤ちゃんを男性に抱かせ、自分は面会室でスマホをいじっていました
歯科の治療に行くので母親に外来に一緒に行くように言うと、👩🏻🦱「1人で大丈夫でしょ。私が治療するわけじゃないし。」とスマホを見ながら言い放ち動かず
完全にネグレクト

小さい胸の痛みがこちらまで伝わってくるようでした

自分を守り愛してくれるはずの親から暴力を受けたり、無視されたりすることは、子どもにとって「死」を意味します。
子どもは無力であり、一人で生きていくことなど到底できないからです。
子どもは無力であり、一人で生きていくことなど到底できないからです。
虐待から子供を守るには病院、児童相談所、学校、地域などいくつもの機関、たくさんの大人が一体となり、継続して連携していく必要があると思います
病院は児童相談所に任せっきりにしているわけではありません
ただ、児童相談所に病院側から通報しても、その後介入したのか、結果どうなったかのフィードバックがないためこちらも理由なく関わることができず、もどかしい思いをしているのも事実です
個人情報の観点からなのか、フィードバックの義務がないからなのかは定かではありませんが、いずれにしろ病院との連携というのは子供の安全を守るためには必須であると思わずにはいられません

