九曜社4周年記念公演
キャンディーアーミー

あらすじ



現代、日本で戦争がはじまる。 沖縄防衛の為に自衛隊は自衛軍 に改変される。


男女兵役均等法が施行されるが、 基地内での女性兵士への傷害事 件が発生し、世間の声に押され る形で、政府は女性兵のみで編 成された女性兵団を組織。

若い女性兵士は前線でも自分の ライフスタイルやファッション を重んじ、軍服のリメイクやア サルトライフルをデコり、お洒 落で可愛い自分たちの姿をsns で拡散していた。

それがバズり志願兵が増加。政 府側も彼女たちをPRに利用しは じめる。アイドル的人気のある 彼女たち兵士は、 “キャンディーアーミー”

と呼ばれるようになっていく。

難波サザンシアターで10月26日、27日に行われた公演。
2026年に起こった戦争をテーマとしているため、深く見識を巡らすと凄く重い内容なのですが
多くの笑いを交えながら解りやすく、その表面上の演技だけでも充分に楽しめる舞台でした。

開演まで流れる機関銃と砲撃の音。自然と緊迫感が増していく。
そして、キャンディーアーミー設立にいたる解説。

で、出てきたのが、いかにも今どきの女子2人。
そして鬼軍曹が・・。



ひとことで戦争の悲惨さや命の奪い合い、戦った後の後遺症などそんなテーマがずっと話しの内容の中に含まれていた。

にも関わらず、随所にギャグやボケがあり、というか出演者全員が笑わせよう笑わせようとする
演出。

本編でのキャラとして笑わせようとするオネエ米羅流星大尉役のオオサワシンヤさんや、恋川茜鬼軍曹役の鈴木りこさん
ヘリコプターの音に過敏に反応する
上官伍長?芥田場小春(あくたばこはる) 役の高瀬川すてらさんもそうかな。

突如、ギャグ(テツandトモ)を入れてくる瀬戸口麦役の°RUMさん。
本当は戦闘の後遺症のため精神状態が崩壊したフリをして入院するという本当に後遺症に悩む戦闘員。いうような役。

今回私の中では優勝と思うくらいボケたおす、笑いの女王
病院の先生であり、究極の合理性を持つ戦闘員安定兵士を作る相坂翡翠役の賀駒さくりさん。

そして、なぜだかこの人がいるだけでニッコリとして観てしまう戦略軍事部特殊開発企画科機械化準備科準備室(長過ぎやろ)の小杉忠孝役の宮本竜治さん。

この方たちが重い内容の芝居の中でより強い笑いという武器で演じていたので本当に暗く成らずに見る事が出来た。

望月和花 役 和ほのかさんも精神を崩壊している役にも関わらずなぜか暗くはなかったですね。

ギャル花園織江、後にアイドル役の桜木ひまりさん。
草薙穂積(くさなぎほづま)主人公詩織の兄役の橋村嘉トさん。
記者魚目泰三役の白石朔太郎さん。
あまりボケたり、笑いをとる場面はなかったですが
進行上こういう役の人たちも貴重です。

そして、新入隊のギャル兵士から始まり、自分は何も出来ないということで
兵士として合理性の追求で最強の兵士安定兵士へと変わる。
そんな役を


草薙沙織(くさなぎしおり)
サン=シュイさんが演じてました。
安定兵士として、ギャグやボケ、周りの笑かしに耐えに耐えたシュイさん、演技よりこちらが大変だったようにも思う(笑)




この合理性が正しいのか?間違っているのか?
そんな最終的な正解の出ない疑問を最後まで持たせる
エンディング。

再演というだけあり、笑いの中にとても重要な深い意味も持つような・・・、そんな良い作品だったように思います。