何か月ぶりかの観劇。
大阪の浪速区木津川2-1-16伽羅倶梨スタジオでの
劇団伽羅倶梨公演。
「神様スパイラル」
作·演出 徳田ナオミ
ミナミにある地元に根付いた、祖父が創業した小さな電器屋さん。
大きな家電量販店全盛の流れに圧され、3代目は意を決して「便利屋スマイル」へと業務を変更した。
そんな便利屋さんで働く社長と社員の日常の生活、そこに現れた亡き2代目(霊)。
日常の生活風景とハプニングを通じて、多くの笑いと、初代から2代目、そして3代目へと伝わって行く大切なモノとは、新品を買うほうがお得なはずなのに修理を依頼するお客様の気持ち…など、人として大切にしなければいけない、そんなモノに気づかせてもらえるハートウォーミングなお芝居でした。
初めての場所での観劇となりましたが
まずは、お芝居の約1時間半は、のめり込んで時間を忘れるくらい楽しく拝見しましたが、パイプ椅子のクッションなので固くてお尻が痛かったです。
こうした方が、良かったかな?と思われる箇所。
星名さんと叶さんが、結婚式でのお芝居を演じるという場面がありましたが、叶さんが昔ヤンチャをしていたという設定でしたので、「演技する」というのが弱くなってしまいました。キャラが少し瀬戸くんと被りますが大人しく真面目な女の子であるならば、あの暴走族の旗振り役という話も、演じるということになったと思われますが。
「ヤンチャをしていた」の告白がいつだったのか?の記憶が、その演技の前後どちらだったのかが記憶としていい加減なの(たぶん前)ですが、
演技の後に、誰かの「それ演技になってないやん!」とか「昔の叶さんが出てる」などの突っ込みの台詞があれば、などと感じました。
あとは、もう素晴らしい。
本(ストーリー)は、もちろんですが
完治さんの存在感(霊なのに)。吾郎さん(私も元高校教師なので)もホントに良い人。
ハルさんの笑顔も(あの笑顔を見ただけで優しくなれる)
3代目の真面目さと信念。
この「便利屋スマイル」で働いているみなさん、
星名さんも叶さんも江本くんも瀬戸くんも、
最高でした!
オープニングすぐの2代目の霊が、ノートパソコンの蓋を占めたり、電話機や照明のスイッチを弄ったりのイタズラがありました。(霊でも、映画『ゴースト』のように物を動かすことが出来る)
存在感を示すためだけの場面だと思っていました。
そこで、マジックを持って…(誰かの顔にイタズラ描きでもするのかと)何もせず。でも、この行為もエンディングで見事に回収していました。ちゃんとしたフリだったんですよね。
「神様スパイラル」の「神様」?
「神様」と「仏様」って全くの別ものですよね。
2代目は「霊」であって、49日を過ぎているから「仏様」なんですよね?
だから、かなり違和感を感じていました。
若者言葉の中に、このお芝居の中でも使われていた「マジ神」という言葉があります。
この「マジ神」と言う言葉は2チャンネルが発祥の言葉のようですが、
「マジ+神」は、本来副詞を名詞にかけることは出来ないのでダメなはずなのですが、若者の中では
立派に通用しています。
これは「神」という言葉が「スゴイ」「優れている」という形容詞的な意味で使われているからなのでしょう。
と考えると、「神様のスパイラル」も『凄い連鎖的な変動』をもたらす。という意味なのかな。
先代から次の代に、親から子供に、夫から妻へ、人から人へ、正しい凄く強い気持ちは正の方向に前に進む力を与えることも出来るということだと感じました。
もちろん
「笑顔(スマイル)」も多くの人の心に、正のスパイラルを起こします。

