ストリートチルドレンを支援するNGO主催の
スラムツアーに参加しました。
最大の学びは、
親の虐待や食い扶持減らしでデリーへ逃げてきた子供たちに
教育の機会を与えて
経済的に自立出来るよう
NGOがきっちり支援できていること。
今回のツアーも寄付の側面があるのですが、
NGOによる継続的に活動をしていく仕組みに感心しました!
政府がだめなら自分たちでなんとかする。
もっこす野郎は登山で何度かヤバい経験をしてきましたが、
救援を求める際は
「自助→互助→公助」
という手順を踏むように自戒してきました。
自力でだめなら仲間同士で助け合う。
そうするとたいていのことは解決できました。
「政府がだめなら、自分たちでやるべ」
という仕組みに感銘を受けました。
参加したのはデリーに拠点をおくNGO「Salaam Baalak Trust」。
http://www.salaambaalaktrust.com/inside.asp
1回2時間、最低Rs200以上の寄付で元ストリートチルドレンが
ニューデリー駅周辺のスラムやNGOによる教育施設を案内してくれます。
ニューデリーのスラムの一角。
スラムにゴミが集まるのは、
彼らが廃品回収を生業にしているからです。
地元紙Times of Indiaによると、
デリーにはおよそ5万人のストリートチルドレンが生活しています。
▼ストリートチルドレンになる理由
親からの虐待からの逃避(アルコール中毒のオヤジからの暴力、女の子は性的虐待)
結婚持参金「ダウリ」制度を苦に、親が女の子をRs5000程度で売り渡す
元々家族が路上生活者
農村部や周辺国の貧困で口減らし
こうしてニューデリー駅周辺に集まったストリートチルドレンの
20%が廃品回収業、15%は物乞い生活をしています。
(2011年Save the choldren調べ)
物乞いにしても廃品回収業にしても、
ほぼ組織化されています。
つまり旅行者のみなさんが物乞いの子供に
お金を渡しても胴元に入るだけで、子供たちには行き渡りません。
胴元に入らずとも、ドラッグに消えるだけです。
インド在住者として申し上げますが、
物乞いにお金を渡すことは、彼らのために全くなりません!
「地球の歩き方」にはどうすべきか、あなた次第というニュアンスの表記があります。
否!
負の連鎖を助長するだけで、
益なしです。(キッパリ)
話がそれましたが、
ストリートチルドレンはいつもお腹をすかせているのでは?と思っていました。
しかし、インドではグルドワラやヒンズー寺院で食事を無償で提供しています。
これは信者であろうがなかろうが、来た人にはすべて平等に与えています。
ですから、
インドでは食べ物に困ることはありません!(キッパリ)
ではどうすれば1キロのペットボトルを集めて10ルピー(20円)という
対価の合わない廃品回収業から抜け出せるのかというと、
月並みですが子供に対しては教育です。
英語やヒンズー語など付加価値の高い教育を身につけさせることが、
負の連鎖から抜け出す一番の手段です。
単純に子供の時間を拘束しないと、
ドラッグに走ってしまうのです。
デリーの映画館では暗がりでドラッグを乱用する貧困層が問題になっています。
(NGOの教室の張り紙)
規則正しい生活を送らせ、
ドラッグに走る余裕をなくす方法をとっています。
このNGOでは親と連絡を取りながら故郷へ帰るすべを探しつつ、
寝る場所と教育を受けさせています。
親の事情で故郷へ戻れなかったり時間がかかる場合は、
公立学校に通わせています。
私を担当してくれたガイドの男性(18歳)は、
アルコール中毒の父の虐待でネパールから逃げてきました。
このNGOから公立学校に通い、
英語も流暢にしゃべれるようになり、
いまはIT関連企業への就職を目指して勉強中です。
子供は教育によって負の連鎖から抜け出し、
大人は仕事によって貧困の連鎖から抜け出す。
経済成長著しいインドだからこそ、
このネガティブなスパイラルを止める力があるのだと思います。
インドへお越しの方、
お時間許しましたらぜひスラムツアーにご参加ください。