「深い河」遠藤周作 | もっこす野郎 3分Hacking!

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心は九州、体はインド在住おやじの
「写真&キャプション」世界です!


久しぶりに読んだ遠藤周作作品でした。

群像小説なんですが、
構成が巧みで参考になりました!

amazonより:
愛を求めて、人生の意味を求めてインドへと向かう人々。
自らの生きてきた時間をふり仰ぎ、母なる河ガンジスのほとりにたたずむとき、
大いなる水の流れは人間たちを次の世に運ぶように包みこむ。
人と人のふれ合いの声を力強い沈黙で受けとめ河は流れる。

wikiより:
遠藤にとってキリストの行った人類の救いとは、
ヨーロッパ的な厳格な論理で規定された、
クリスチャンに限定するような狭いものではなく、
ガンジスの様な宗教宗派に関係ない広い救済であったはずであるとしている。
それは作品中では汎神論的感覚を最後まで捨てることのできなかった大津を通し訴える。
そして作品の最後では、争いの絶えない人類が持つべき真の愛をそこに見出している。
「日本人のクリスチャン」遠藤が最後に至った世界が描かれている。

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一連の遠藤さん作品とおなじく、
テーマはキリスト教と日本人の苦悩です。

以下は「深い河」に触発されて考えたもっこす野郎の私見です。

インドにいる日本人として意識しているのは、
ヒンズー教や仏教を非難するつもりはありませんが、
「輪廻転生」ではなく、
現世での利益を多くの人が手にできる社会作りに貢献する

ということです。

カーストを固定化させ不満を抱かせなくするひとつの「方便」が
「輪廻転生」だと私は考えます。

低いカーストやその外にいても、
現世をしっかり生きれば次に生まれ変わったときに上の階層に行ける、、、
というロジックは既得権益層のエゴと感じます。

もちろん現実のインドは、
バラモン階級の人が賃金の低い警備員や運転手の仕事をしているケースもあります。

しかしインドには相続税がないため、
経済格差は固定化される傾向があります。

つまり教育を受けて高い収入を得られる層は、
ますます富み、そうでない層はいつまでも貧困のまま。

1991年から資本主義にインドも舵を切ったので、
競争した上での格差ができることは全く異議はありません。

それでもセーフティーネットがないインドでは、
「カースト+相続税なし=貧富の差 拡大」
という図式が拡大し続けてしまいます。

貧富の差が拡大すれば、
職にあぶれた若者はナクサライトなどの過激な活動に不満のはけ口を求める可能性もあります。

今の人生で果実を得られる社会に近づけるには、
アメリカンドリームのように自分の才覚で勝負できる土俵が必要です。

生まれによらず、自分の才覚がすべてという自由競争の
「インディアンドリーム」。

来週ニューデリーのスラムを見て回るので、
このテーマを引き続き考えていきます。