今朝は母の自宅を大家さんへ引渡す日
ついに、この日がやってきたのだ。
最後の最後で発覚したくつ箱の扉紛失。
そして室内ドアの交換希望。
突如発覚したこれらの弁償を行う為に部屋の引渡しは9月末から10月中旬まで延長していた。
くつ箱扉を発注して納品が完了。となれば終わりである。
ドア交換は業者さん(社長さん)が私達に代わり、大家さんと交渉してくれて弁償は免れた。
今回、ゴミ撤去・修繕工事・特殊清掃そして靴箱の扉を特注製作…とこれら全てを一括で依頼したこの業者さん立ち会いのもと、最終確認した上で部屋の鍵を大家さんへ返却し物件は引渡しとなる。
私達の実家は完全に無くなってしまうのだ。
朝9時半・小雨が降っている
母の自宅に業者さんが到着した。
1ヶ月半もこまめに連絡を取り、スピード感を持って私達の担当を務めて下さったHさんが笑顔で立っていた。
依頼していた靴箱の扉が収められ、スムーズに開閉出来るか、色は大丈夫かなどを大家さんへ確認してもらう。
その後、大家さんは部屋の中に入り、もう一度全体を隈なく見回した。
大量のゴミもキレイに処分した
家の清掃も終わった
壁も窓もキレイになっている
破裂していたトイレの水道管の修繕
壁の穴の修繕
傷んだ床も全て直した
その他は契約関係の解約手続きを済ませた
残りの支払い分も終えてる
後は大家さんが納得して書類にサインをしてくれたら、もう本当に終わり。となる
『ご納得頂けますか?』変な緊張感が走る
大家さんはうん。うん。と頷き、書類にサインをしてくれた。
そして、最後の挨拶を交わした。
『長年、母が大変お世話になりありがとうございました。
この度は多大なるご迷惑をお掛けし本当に申し訳ございませんでした。』
亡き母に代わり謝罪をした。
大家さんは『あんた達も身体に気を付けてな。まぁお互いにね。』
笑顔でそう言ってくれた。
最後に合鍵含め持っていた鍵を返却し引渡しは完了となった。
そしてHさんとも最後の挨拶を交わした。
『このひと月半、色々と力を貸して下さった事や心が救われた事、大変感謝しています。
今回は依頼をして本当に大正解でした。
もう感謝の気持ちでいっぱいです。
本当にありがとうございました』と伝えた
実際にお値段以上の対応に感じたし、彼等のお仕事で本当に救われる人がいるんだ。
私達は間違い無く救われた。
Hさんも笑顔で去った後、直ぐに強い雨が降り出した。
私と姉は引渡しが始まる前に部屋へ入っていた。
母が暮した場所をどうしても最後にこの目で焼き付けておきたかったから。
いつも通りの独特な匂いがする。
生きている内にこんなにキレイな部屋にしてあげていたら、母さん喜んでくれたかな?
もう一度、キレイな暮らしが出来たのかな…
それともまたゴミだらけにしたのだろうか…
母の自宅から離れる前に私達は外から玄関前を画像に撮りお別れをした。
ゴミ撤去の翌日9月20日撮影
扉が無い状態のくつ箱
清掃後
交換希望だった室内ドア(却下)
左が新しい靴箱の扉
正面が本来の扉(サイズ計る為、隣の空室から借りた)
20数年預かっていた合鍵
この場所で母は遺体で発見されました。