夏は苦手だ。暑いのはどうあがいても暑く、最近電気代も高騰してきてなんだかエアコンをつけるのにも罪悪感が湧いてしまう。
家の畳で扇風機を自分に直にあてて大の字で寝っ転がっていると夏を感じる。暑いのは苦手だが、なんだかその時間だけ夏を好きになれる。
その時間しか好きになれないので、夏は一気にインドアの人間になる。ここで出てくるのが散歩をいつするかという問題だ。6月の間はまだ日中でも散歩日和の日が何日かあるのでその日を狙って散歩をしていたが、7月になると一気に暑くなり、日中に散歩ができなくなる。できなくなるというより、散歩をする気がおきなくなると言ったほうが正しいだろうか。とにかく私にとって散歩が出来なくなるというのは精神的にも致命傷なのだ。
この間の夜、ふと思い立って散歩をしてみることにした。深夜の1時だったので家族を起こさないようこっそり音が鳴らないように外を出た。時間も時間でこそこそ歩いていたということもあり、なんだか泥棒みたいで悪いことをしている気持ちだった。それが新鮮で楽しかった。七月上旬の夜は割と涼しく、日も出ていないので散歩には最適の天気だった。夜になると外の雰囲気は全く違って、いつも日中にのびのびすくすく咲いているひまわりが少し不気味に見えたり、普段は交通量の多い道路には全く車が走っていなくて外の明かりはまばらに照らされている街頭とコンビニの明かりだけだったり、パラレルワールドにいるみたいだった。深夜過ぎだったので少し怖いかと思っていたが、全くそんなことはなくむしろこのまま朝まで歩いていたいくらいだった。
涼しい風にあたりながら家に戻っていると帰り道のベンチの近くにある建物の壁に夜のお友達がいた。久しぶりに見つけたのでちょっと嬉しくて、全く動かないその子を眺めながら好きな曲を一曲だけ聞いて家に戻った。
