予定されていた海老蔵さんの新春公演隈取の代替として

発表されたのが玉三郎さま阿古屋と知ったとき、

心臓がバクバク恋の矢するほどの強烈な興奮を覚えたのは、

恐らく私だけではなかったはず。


チケット発売日に全公演、即日完売。

急遽決まった追加公演は、元旦。

元旦の初日公演はなんと65年ぶりだそうです。


なぜ、この阿古屋がこれほどまでに話題になるのか?


それは今、この阿古屋を演じられるのは、玉三郎さま以外に

誰1人として居ないから。


阿古屋は筝・三味線・胡弓を演奏できるものにしか

演じることができず、それが出来るのは玉三郎さまただ1人。

その阿古屋を、60歳を迎えた玉三郎さまが、もう一度やる・・・!


玉三郎さまの阿古屋を観られるのは、これが最後かもしれない。

今回を逃したら、もしかしたら一生観ることはできないかもしれない。

それほどまでに貴重な今回の公演。


昨年、NHKのザ・スターに玉三郎さまが出演され、

初めて阿古屋という役の重みを知ったときから、一生のうちに

一度でいいから観たいと思っていた、あの熱望していた演目が

計らずしてこのような形でかかることになったのは、

何かが引き寄せた素晴らしいご縁としか思えません。



  


そして引き寄せたのは公演だけでなく、素晴らしすぎるお席キラキラ

今年は何だか素敵な1年になりそうな予感にこ


エレベーターを上がると、玉さまがお出迎え音譜




エレベーターホールは、玉三郎さまが劇場スタッフと一緒に考えた

という、お正月らしいお飾りがいっぱいで、とても華やかでしたキラキラ





お席は予想以上に花道が目と鼻の先に見える素晴らしい場所。

ここから玉さまが・・・と思うだけで、すでに大興奮です。


ふと見上げると、2階の桟敷席には鳩山元首相ご夫妻の姿も。


客席全体が高揚感に包まれる中、いよいよ幕が開きますキラキラ


武将役、中村獅童の掛け声で花道の扉が開き、偶然にも

玉三郎さまと目が合った瞬間、あまりの美しさになぜか

感極まってしまい、いきなり涙、涙になってしまった私・・・汗


閉演後、一緒に観ていた母が、『玉三郎さん、貴女のこと

観てたわよね~!』と大ウケしてましたが、本当に金縛りに

でも遭ったかのような衝撃を受けて・・・。


今でも思い出すだけで鳥肌が立ちます。

あの感激はきっと一生忘れないでしょう。


お筝、三味線、胡弓を順に奏でる玉三郎さま。

抜きん出てお上手だったのは胡弓

しなる弓を、しなやかにそっと弾くと、ふんわりとした

音色が客席に運ばれてきてうっとり。


お筝、三味線はソロではなく他の三味線との云わば

連弾のような演奏だったのに対し、胡弓は完全なソロ。


妙な緊張感も重なって、息もつかせない演奏です。


場内、拍手鳴り止まず。


続いて第二幕の女伊達は初役。


こちらはお正月に相応しい、華やかの一言。

途中、口上もあり、手拭いを撒く演出ありと、みんなが

楽しくなるような、素晴らしい演出。


もちろん指の先まで美しい玉三郎さまの踊りも

言葉を尽くしても尽くしきれないほどの素晴らしさです。


歌舞伎では相当に珍しい、2度のカーテンコールと

スタンディングオベーション!

(最初に立ったのは鳩山ご夫妻でした!)

帰り道も、なんだかフワフワとした不思議な気分でした。


叶うなら、もう一度観たい・・・流れ星


玉三郎さま、くれぐれもご自愛いただき、これからも

もっともっと素晴らしい歌舞伎を、私に魅せてくださいキラキラ

そして今回、このような素晴らしい公演を鑑賞する機会に

恵まれたことに感謝します。チケットを取って下さった

Aさん、この場を借りて御礼を申し上げます。