新橋にある鮎正に行ってきました~
『鮎尽くし』なるものを満喫してみたく、
それなら王道のこちらへ!と初訪問
ガラガラと引き戸を開けると、予想以上に清潔感のある店内
(失礼承知で・・・正直もっともっと汚いお店を想像して
いたので、これはとっても嬉しい裏切りでした)
平日の、しかもまだ週の前半に訪れたのですが、18時にして
7割近く席が埋まっており、2階も含めて帰る頃には満席
串刺しにした7匹の鮎がオブジェのように壁にかけてあったり、
『鮎』と書かれた粋なコースターなどを見ているうちに、
『これから鮎を食べるんだ』と何だかこちらのテンションまで
上がってきてしまいました(笑)
さて、コースは3種類あり、もちろんアラカルトも
雪:11,550円(全10品)
月:13,650円(全11品)
花:15,750円(全12品)
コースの詳細はHPをご覧ください → HP
私達も含め、周りは事前オーダーのコースを選んでいる方が
圧倒的に多いように感じました ちなみに私達は真ん中の
月のコースをお願いしましたよ~
それでは早速お料理をご紹介
まずは前菜。
枝豆・殻ごとバリバリ食べられる、頭だけ外した海老、
小さな鮎のお寿司・酒盗豆腐、そしてさつま揚げ風の
トウモロコシ。←このかき揚げ、絶品なり。
どれも冷えた日本酒と良く合います
続いてはお椀。
こちら、今回かなりお気に入りの逸品
白味噌仕立てのお椀には、焼いた鮎が2尾も・・・!
ほんのり甘い白味噌に、お箸で柔らかくほぐれる鮎はほろ苦く。
お味のコントラストが絶妙で、〆にもぅ1杯!とお代りしたくなる
味付けに早くも大満足です
続いては鮎背越し
背越しとはお刺身を意味するそうで、鮎のお刺身としては
初めていただく不思議な食感・・・! それは骨まで一緒に
いただくからなんです 添えられた茗荷との相性も抜群です。
そして王道の鮎の塩焼き
こちらはかなり大きめで、先日湯島121でいただいたものと
同じぐらい・・・だいたい15cmサイズでしょうか?
当然骨は避けていただくものと思っていたのですが、
『頭からバリバリどうぞ~』とのことで、
半信半疑で頭からガブリ!といっちゃいました(笑)
そしたらこれが何とも不思議。まったく骨っぽさを感じずに、
バリバリ最初から最後までいけました
私がえらく感激しているとご主人の山根さん。
『大きさは関係ないよー。焼き方にコツがあるんだよ』
とのこと。
でも、カウンター越しに焼いているお弟子さんの姿を
どんなに必死に見ても、何のからくりもなさそう・・・
本当に焼いている方の『腕』にかかっているんだろうなと
しみじみ感動してしまいました
続いては子うるか
こちらは何とも言えず可愛らしい鮎の形をした陶器に
入って登場 食後にお返しするときは思わずスイスイと
泳がせながらお渡ししちゃいました(笑)
ちなみに子うるかとは白子と卵の塩辛のことを言うのだそう。
これはもぅ日本酒が進みまくる危険な1品(笑)
そぅそぅ、日本酒ですが、最初にお願いしたものが好みに
合わず、次のオーダーで悩んでいたらご主人が
『じゃあこれとこれ飲んでみる?』と利き酒を・・・
湯島のときも思いましたが、いつだって1番に客の動向に
気づくのはご主人。フットワークが軽く、本当に気持ちがぃぃ。
そんなお店こそ、お弟子さんとの関係?も良好。
ギスギスしていないけど、働く姿はみんなキビキビ爽やか。
これって当たり前のようだけど、とても大切なことですよね?
先日伺った某大失敗の和食屋さんとは大違いです(笑)
続いて本日ナンバー2の美味しさ
うるか茄子
一見お味噌で和えたお茄子のように見えるのですが、
お味噌は一切使用していないとのこと。
うるかとお醤油・味醂・お酒で味付けしているだけとぃぅ、
ほんのり甘く、そして苦味も合わさった、何とも複雑なお味が
もぅ病み付き!!
ちょっぴり濃い目のお味付けなので、ちょっとご飯とか
欲しいかも・・・なんて思っていたそのとき
超ミニミニサイズのお椀に入ったお茶碗が運ばれてきて・・・
これは感動モノ(笑) 3口ほどのご飯。わきまえてます
続いて鮎の素揚げ・鮎の酢のものと続き、
本来なら〆は鮎ごはんといくところなのですが・・・。
今回は事前に『1日1組限定』の『鮎雑炊』を
お願いしていました~!!
優し~いご主人から笑顔で、
『うちが1組限定でこれやってるのよく知ってたねぇ~』
なんて目を細めていただき、思わずムフフ・・・
お出汁を取るために頭や尻尾にいたるまで、すべてムダに
せず乾燥させて保存している鮎たち。
このお雑炊を作るためには何十匹分もの鮎が必要に
なるとのことで、1日1組が限界とのこと。
そんな贅を尽くしたお雑炊をいただくことができて、感無量です
富司純子さんみたいな女将さんが大きな土鍋を持って来て、
『最初は熱いからこのぐらいしときましょ』
なんて言いながら優しくよそって下さるので、思わず
『なんだか旅館に来ているみたい!』
と言ったら、『あら、私、旅館出身なのよ』
と色っぽく微笑まれてしまいました(笑)
どうりで和むわけです、こちらのお店
最後に青梅の甘露煮をカキ氷のように降らせた
氷と一緒に混ぜ混ぜしながらいただき、一気にお口の中が
清涼感でいっぱいに・・・これ、また食べた~い!!!
創業40年を超えるこちらのお店。
最初はかなりボロボロな味のあるお店を想像していましたが、
移転したのも理由の1つなのか、古臭さなんてまったくなく、
心落ち着く和みの空間でした
鮎ご飯もいただいてみたかったので、『また来年!』と
言い合ってお店を出ました
夏の食の歳時記が、また1つ増えました