先月の歌舞伎座さよなら公演で大いに盛り上がった演目、
助六由縁江戸桜 (先月の記事はこちら → ☆ )
團十郎さんが演じた主人公の助六を、今月は海老蔵さんが
やると聞いたら、行かずにはいられません
こうやって松竹の戦略にまんまとハマったのは、
恐らく私だけでないはず(笑)。
【第一幕:熊谷陣屋】
正直、重くて辛~い内容でした。
歌舞伎の演目には、『身替り』と言って、自分の子供を
殺して主人の子供の身替りとして差し出し、忠義を
尽くすような話が多いです
こちらもその1つなのですが・・・なんだかなあ・・・
事実に基づいているのかもしれませんが、子供が死ぬ話を
好きな人がどこにいるのでしょう?
今回の演目は、(もちろん人形ですが)ずっと生首があっちに
行ったりこっちに行ったりするので見ないように気をつけては
いたものの、気持ちが暗~くなりました・・・
でもそんな中、最大の収穫は七之助さんの演技。
まだ歌舞伎を観始めて間もない私が言うのも僭越ですが、
ここ数ヶ月で格段に成長しているように思います。
以前はゴツゴツとした頬骨がどうも目立ってしまい、美しい女形
というよりは病を患っている役とかが向いてそうな感じでした
でも、今回は圧巻の演技
声もよく通るし、佇まいも美しく、細やかな演技に至るまで、
本当に何から何まで素晴らしかったです。
先日放送された勘三郎さんのドキュメンタリーで見た
素顔の七之助さんもすごく好感度が高くて、海老蔵さんと
共にこれから応援していきたいと思う役者さんです。
第二幕に入る前に、少々長めの休憩。
昨日の記事(☆ )でご紹介した朱雀さんで握っていただいた
お弁当を食べました~
ラップで包むだけで良かったのですが、ちゃんとこんな箱を
用意しているところ、さすがだと思いました
ちりめん山椒と柴漬けの、具だくさんの可愛~いおにぎり
食べやすいように小さめに握って下さってました
きんぴらごぼうもついていてラッキー!
とってもとっても嬉しかったです
【第二幕:うかれ坊主】
正直あまり心惹かれないのがセリフの(少)ない『踊り』。
特に今回は出演者が最初から最後まで松緑1人。
ここは気楽に観ようと思っていたら・・・
期待を裏切る名演技。 ぐっと惹き込まれました
もともと目の大きな役者さん。目で演じると言った感じ。
さらに1つ1つの動きが大きく、そしてとても綺麗なのです
指先、足先、隅々まで緊張が行き届いていました。
祖父の前に父を亡くし、その影響かなかなか役に恵まれない
ようですが、本当に彼は名役者だと痛感したこの日。
誰か彼にぃぃ役を与えて下さい!!
彼は本当にすごい!・・・感動しました!!
【第三幕:助六縁江戸桜】
待ってました~
今回1番楽しみにしていた演目!!
團十郎さんに比べると、まだまだ演技・体ともに厚みが
足りないのですが、彼はやはり観客を虜にする華があります
高めの声を出すと少し声が小さくなってしまったり、
また自分らしさを出したいのか素になってるのか、時折セリフが
ものすごく早かったりと、私のように慣れない者にとっては
聞きとり辛いことも多々あるのですが、それでも團十郎さんとは
また違った魅力がありました。
そして今回話題の『水入り』のシーンはもぅ観客も前のめりに
なるほどの迫力 まだこれからご覧になる方もいらっしゃると
思うので多くは語りませんが、これはやはり必見かも
体を張ればぃぃってものでもありませんが、彼なりの挑戦、
とくとご覧アレ!と言った感じ。
そして忘れてはならないのが福助の演じる揚巻です。
正直、舞台に出てきたときは、先月の玉三郎さんと
どうしても比べてしまい、顔も大きいしお世辞にも美しいとは
言えない福助さん、う~ん・・・と思ってました。
でも、なんだか迫力がすごい!あまりに何もかもがすごすぎて、
最後の水入りのシーンでは鳥肌立っちゃいました
単純な私はすっかりこの日で福助さんファンに(笑)
第二幕から第三幕は、何から何まで感動の一言
朝日新聞でも珍しくかなり高く評価されてましたが、
本当に観に行って良かったです
6月・7月の公演はお休み。
次回は8月。海老蔵さんによる義経千本桜を
観に行く予定です