路地裏に座っていたら突然右腕をつかまれた。
僕は驚いてつかまれた自分の右腕を見た。

腕をつかんでいたのはこの少年だった。
この少年は耳が不自由だと言う。
左耳だけは僅かに聴力が残っているのだと言う。

少年はカメラを触りながら自分の顔を指差す。
そして「写真を撮ってくれ」と言う。

僕は、一度シャッターを切って写真を少年に見せた。
彼は嬉しそうに笑った。

僕は折り紙で鶴を折って少年にあげた。
彼は羽根を広げて笑った。



インドの少年