(手術に関する過去ブログ→ てんかん手術 #03 てんかん手術 #02 てんかん手術 #01)
少々ネガティブなことも書きますが、手術を否定する意図は全くありません。
むしろてんかん焦点切除の手術は、後遺症のリスクが小さいながら完治が望めるという、大いなる明るい希望の光だと思っています。

典型的な側頭葉の部分てんかん(内側側頭葉てんかん)の場合、切除により発作が消失(抑制?)する可能性は一般的に70%という主治医先生の説明でした。
webで検索してもやはりそのあたりの数値が出てきます。

一方、K君の場合は、各種検査の結果、執刀医先生からは「発作抑制の可能性は50%」と言われ、私達家族はそれを承知の上で手術に同意しました。
そして結果は、発作の抑制に至らず、発作の焦点が他に残っている、でした。
この結果(完治に至らず)は半分の確率であり得たわけですが、それでもやはりその結果を目の前にした時(=手術後の最初の全身痙攣を見た時)、私のショックは大きなものでした。
まだ子供といえるK君の頭皮にメスを入れ、頭蓋骨を切り抜いて、脳の一部を切除して・・・そこまでしたのに再び痙攣発作に苦しむことになってしまうなんて。
言葉では表現できないK君への申し訳ない気持ちでした。
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それから少々年月を経て、今はその負の気持ちが随分と和らいできています。
K君本人が手術のことを全く悔いていないというのがその大きな理由です。
手術後でも発作が起こることに対して、自暴自棄になってもおかしくないのですが、K君はそんな気持ちは全く無い様子です。
また、後遺症のような事案も全く起きていないということも理由の一つです。
脳を切除する、というだけで、我々一般人はいろいろな悪影響を考えてしまいますが、K君の場合、思考力、記憶力、情緒、身体機能、これらいずれにも手術の影響を感じていません。
手術のリスクが低い(失うものが小さい)という先生方の説明はその通りだったようです。

年月を経てからの結果論ですが、当時「50%」と聞いたときに、手術を回避する選択肢もあったかも、と思うことはあります。
しかし、おそらくその場合は、家族みんなが「手術をしなかったことの後悔」に苦しむことになったと思います。
K君本人の気持ちを確かめもせず、安易に「手術の選択は間違いではなかった」なんて結論付けることはやめておきますが、遅かれ早かれ結局手術はすることになっただろうと思うのです。

では改めて、手術したことのマイナス面は何かあったか、と自問すると・・
ーK君本人は、手術後の苦痛は辛い思い出のようで、全く話しません。
今後もし画期的な外科的てんかん治療法が開発されても「二度と手術はイヤ」と言う可能性はあるかもしれません。ー
そのくらいでしょうか。
言い換えると、手術したことのよる実生活におけるマイナスは特にない、ということです。

K君の場合はネガティブな結果でしたが、最初に書いたとおり、手術を否定する意図は全くありません。
3年前の大手新聞の特集記事で、日本の主要病院におけるてんかん治療の年間実績が一覧表で掲載されていました。
その表にある「てんかん手術」の件数を合計すると約1千件にもなりました。
(すべてが切除手術とは限りませんが。)
年間でこれだけ多くの実績があるということは、成功率が高いからだと思います。