【翔春+音友】青春KICK OFF!!(仮)【うた☆プリ】
「おっはよー!!」
レッスン室の扉が勢いよく開き、音也が飛び込んできた。ST☆RISHの中でも底抜けに明るいムードメーカーの彼がいつも以上のテンションで、レッスン前の静かな雰囲気は一気に綻ぶ。
「イッキ、今日は随分ご機嫌じゃない? 何かいいことでもあった?」
「え? えへへへー」
「……音也、その締まりのない顔を止めなさい。四ノ宮さんと聖川さんはどうしたんですか」
トキヤの問いかけに、顔を緩ませたままで答える。
「緊急で打ち合わせが入っちゃって、二人ともレッスン参加できないかもって。えへへ……」
「これは……相当……」
「ハハ、かなり浮かれちゃってるみたいだねぇ……」
トキヤすら諦めのため息をつき、ピアノの前に座る。
「仕方ありませんね。今日は七海さんも参加できませんし、各人の苦手な部分を強化しましょう。音程が不安な部分は私がピアノでサポートします」
「そうだね、ありがとうイッチー。……おチビちゃん、レッスン始めるよ?」
レンが窓際で携帯を見つつストレッチをしていた翔へ声をかける。いつも通り、身長をネタにしたことを怒ってくるかと思ったが、翔は存外冷静に頷き立ち上がった。
「あぁ、悪い」
いつも通りなのに、少しだけ、様子が違う。トキヤもレンも、同時にそんなことを感じて、無意識に顔を見合わせて肩をすくめたのだった。
「―なぁ、音也」
「なに? 翔」
レッスンを終えてトキヤとレンが先に上がり、翔は残っていた音也に徐に声をかけた。
「お前、やっぱ今日、なんか機嫌いいな」
「そ、そうかな!? やっぱわかっちゃう?」
「あぁ。レンたちも相当勘ぐってたぞ。気を付けろよな。この時期に浮かれてちゃ、さすがに気づかれんぞ。デートの約束かなんか、取り付けたんだろうけど」
音也がなぜそれを、とでも言いたげな顔で翔を見るので、翔は盛大にため息をついた。
「わかるに決まってんだろ? オレの情報源、どこだと思ってんだよ?」
携帯を軽く掲げて見せられて、音也は合点がいった。
「あー、そっか! レッスン前ににやにやしながらずっと携帯見てたの、七海と連絡とってたんだねー、翔!」
「なっ!? にやにやなんてしてねーよ!!」
「してたよー?」
「大体にやにやっつったら、お前のがよっぽどだろ!」
「そりゃ嬉しいに決まってるじゃん!! 友千香から誘ってくれるなんて滅多にないんだよ!?」
「……やっぱ渋谷絡みな」
「!!??」
自分からその愛しい名前を口にしてしまったと気付き、音也は手の甲で口を押さえた。
「ははっ! いいじゃん、他で言っちゃマズイけどさ、オレなら知ってんだし」
「そうだね……翔がオレのこと気づいてたのは、やっぱ七海?」
翔も観念したように頷き、携帯をポケットにしまう。
「あぁ。音也が来る前に、そっち向かったって連絡あって……やり取りしてたら、渋谷が寮の部屋で当日の服悩んでファッションショーしてるって」
音也の表情があからさまに晴れて、翔は苦笑する。
「ま、せいぜいしっかり褒めてやんな」
翔は音也の背中をぽんと叩いて、レッスン室を出ようとする。
「うん……あっ、翔!」
「なんだよ?」
「そのー……、翔はいいの……? 七海と……」
「バーカ。ついこの間、クリスマスの生放送特番決まったって話したろ。遊んでる暇なんてねーよ」
「そっ、そうだよね……ごめん、なんか……」
自分がかなり浮かれていたことに対し、申し訳なさそうに目を伏せた音也に、視線をそらし咳払いをして、翔は告げた。
「あー、その、デート当日は、何とかして、遅くに帰ってこいよ? そうだな……オレの収録が終わる、24時以降くらいまで……渋谷を部屋に帰すんじゃねーぞ?」
音也はその真意を察して、笑いをこらえつつ返す。
「りょーかい! 七海もずっと待ってると思うから、なるべく早く会いに行ってあげなよ、翔!」
「おぅ!」
アイドルであるがゆえに。
周りには公言できない、秘密の恋。
それでも、互いが互いを一番近くで応援してくれる。
だから余計に、彼らは愛しい人を大切にしたいと思うのだ。
――そう、何よりも。
レッスン室の扉が勢いよく開き、音也が飛び込んできた。ST☆RISHの中でも底抜けに明るいムードメーカーの彼がいつも以上のテンションで、レッスン前の静かな雰囲気は一気に綻ぶ。
「イッキ、今日は随分ご機嫌じゃない? 何かいいことでもあった?」
「え? えへへへー」
「……音也、その締まりのない顔を止めなさい。四ノ宮さんと聖川さんはどうしたんですか」
トキヤの問いかけに、顔を緩ませたままで答える。
「緊急で打ち合わせが入っちゃって、二人ともレッスン参加できないかもって。えへへ……」
「これは……相当……」
「ハハ、かなり浮かれちゃってるみたいだねぇ……」
トキヤすら諦めのため息をつき、ピアノの前に座る。
「仕方ありませんね。今日は七海さんも参加できませんし、各人の苦手な部分を強化しましょう。音程が不安な部分は私がピアノでサポートします」
「そうだね、ありがとうイッチー。……おチビちゃん、レッスン始めるよ?」
レンが窓際で携帯を見つつストレッチをしていた翔へ声をかける。いつも通り、身長をネタにしたことを怒ってくるかと思ったが、翔は存外冷静に頷き立ち上がった。
「あぁ、悪い」
いつも通りなのに、少しだけ、様子が違う。トキヤもレンも、同時にそんなことを感じて、無意識に顔を見合わせて肩をすくめたのだった。
「―なぁ、音也」
「なに? 翔」
レッスンを終えてトキヤとレンが先に上がり、翔は残っていた音也に徐に声をかけた。
「お前、やっぱ今日、なんか機嫌いいな」
「そ、そうかな!? やっぱわかっちゃう?」
「あぁ。レンたちも相当勘ぐってたぞ。気を付けろよな。この時期に浮かれてちゃ、さすがに気づかれんぞ。デートの約束かなんか、取り付けたんだろうけど」
音也がなぜそれを、とでも言いたげな顔で翔を見るので、翔は盛大にため息をついた。
「わかるに決まってんだろ? オレの情報源、どこだと思ってんだよ?」
携帯を軽く掲げて見せられて、音也は合点がいった。
「あー、そっか! レッスン前ににやにやしながらずっと携帯見てたの、七海と連絡とってたんだねー、翔!」
「なっ!? にやにやなんてしてねーよ!!」
「してたよー?」
「大体にやにやっつったら、お前のがよっぽどだろ!」
「そりゃ嬉しいに決まってるじゃん!! 友千香から誘ってくれるなんて滅多にないんだよ!?」
「……やっぱ渋谷絡みな」
「!!??」
自分からその愛しい名前を口にしてしまったと気付き、音也は手の甲で口を押さえた。
「ははっ! いいじゃん、他で言っちゃマズイけどさ、オレなら知ってんだし」
「そうだね……翔がオレのこと気づいてたのは、やっぱ七海?」
翔も観念したように頷き、携帯をポケットにしまう。
「あぁ。音也が来る前に、そっち向かったって連絡あって……やり取りしてたら、渋谷が寮の部屋で当日の服悩んでファッションショーしてるって」
音也の表情があからさまに晴れて、翔は苦笑する。
「ま、せいぜいしっかり褒めてやんな」
翔は音也の背中をぽんと叩いて、レッスン室を出ようとする。
「うん……あっ、翔!」
「なんだよ?」
「そのー……、翔はいいの……? 七海と……」
「バーカ。ついこの間、クリスマスの生放送特番決まったって話したろ。遊んでる暇なんてねーよ」
「そっ、そうだよね……ごめん、なんか……」
自分がかなり浮かれていたことに対し、申し訳なさそうに目を伏せた音也に、視線をそらし咳払いをして、翔は告げた。
「あー、その、デート当日は、何とかして、遅くに帰ってこいよ? そうだな……オレの収録が終わる、24時以降くらいまで……渋谷を部屋に帰すんじゃねーぞ?」
音也はその真意を察して、笑いをこらえつつ返す。
「りょーかい! 七海もずっと待ってると思うから、なるべく早く会いに行ってあげなよ、翔!」
「おぅ!」
アイドルであるがゆえに。
周りには公言できない、秘密の恋。
それでも、互いが互いを一番近くで応援してくれる。
だから余計に、彼らは愛しい人を大切にしたいと思うのだ。
――そう、何よりも。