今製作して居るTRPGに登場するNPC
マキナの過去の物語です。
まだ未完成だけど...
長いですがどうぞ!!
マキナはベルフトカルスを治める領主の生まれで、彼女は何不便なく育ちましたがそんな生活は時に飽き飽きするものでした。
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ある日、いつものように決められたスケジュュールをこなしていた彼女でしたがふと部屋の窓を見てみるとそこには1人の男の子が庭の隅に生えているアップルの木に登り取って食べようとしていましたが少しするとお互いに目が合い男の子はマキナに気づき驚いたのかバランスを崩し落ちてしまいました。
それを見た彼女は急いで男の子が落ちた木のもとに行きました。
そして「アップル泥棒さん怪我はない?」
そうマキナは言いました。
それに対し男の子は何も言わずにその場から立ち去ろうとしましたがマキナが男の子の腕をつかみ「お腹すいているの?」と聞きましたが「別に・・・」と男の子が答えましたがその後すぐにお腹がグ~~と鳴ってしまい男の子は次第に頬を赤らめました。「やっぱりお腹すいてるんじゃないの!待っててね何か食べるもの持ってきてあげるから一緒に食べましょう!」そう彼女は笑顔を男の子に向けた後、一旦屋敷に戻っていきました。
数分もしないうちにマキナは手にパンなどが詰まったバスケットを持ち戻ってきました。
その後、二人は特に話はしませんでしたが仲良く食べ、食べ終わった後には何事もなかったかのように二人は自らがいるべき場所に戻っていきました。
それ以降、マキナがバルコニーから外を眺めているときにはあの日の男の子を見かけることが多くなりました。
しかし、それ以上ふたりの距離が縮まることはありませんでしたがある日、両親から新しい使用人を雇ったと告げられます。
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コンコンコン、と扉をノックする音でマキナは目覚めた。「お嬢様おはようございます。朝食の準備が出来ておりますので準備が出来次第お越し下さい。それでは失礼します」一日のスケジュールが書かれた紙を渡しそう告げると使用人は出て行きました。
その後、スケジュールを全てこなしたあとマキナは専属使用人を呼び話しだしました。
「まさか新しい使用人があなただなんて思いもしなかったわ。それも専属のね」
そう、マキナはつぶやくように言った。
それに対して使用人の男性は「君のそばに居たかったんだよマキナ。僕はあの日君と初めてあった時、君を見て僕は一瞬で君のことを好きになったんだ。それからは、君の顔見たさで毎日この屋敷に通ってたんだ。
ある日、君はいつものバルコニーで暗い顔をしていたね。その後僕は気になって少し調べたんだ君のお母さんはその日に他界したんだ............あ、ごめんねこんなこと言っちゃって」
「気にしないで、今はあなたがそばにいるもの。私もあなたのこと好きよ。」
そうマキナは言い彼のそばによりあの日のような優しい微笑みを向けた。
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数日後、マキナは朝食を取るために着替えをすませ食堂に向かった。そこには普段朝食を一緒に取らない伯爵の姿があったがマキナはあまり気にも止めずいつも自分が座っている席に着く。すると「今の彼はどうだい、雇いたての時よりもよく働いてくれているか?」そう、伯爵は問いかけました。
「ええ、勿論よあれから何年が経っていると思っているの?今でもあのような働きぶりだったら今頃解雇しているわよ」
そうマキナは笑いながら言いました。
「それもそうだな」と伯爵も一緒に笑った。
こうして、他愛のない話で笑い合うのはどれほどぶりだろうか。父さんは母さんが亡くなった後からは人が変わったかのようにずっと一人でふさぎ込んでしまっていた。時々、屋敷の中を移動している時にすれ違うことはあっても一度も話をするなんてこともなかった。だから私は嬉しかったこうしてまた父さんがまた笑ってくれたことが。
そんなことをマキナが思っていると伯爵は軽く咳払いをし「マキナ、お前に話さなくてはいけないことがある」先程までの笑っていた顔はなく真剣な顔でそう言った。
それを見てマキナは手を止め伯爵の顔を見る。「近々、私のもとに嫁いでくる女性がいるマキナ新しいお母様がくるんだ。どうか仲良くしてやってくれ」そう伯爵が告げるとマキナの返事を聞く前に席を立ち自室戻った。一方それを聞いたマキナの顔には驚いたような、戸惑ったような複雑な心境を映し出していました。
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伯爵との久々の朝食をとった数日後、伯爵は話していた女性と式を挙げる。
マキナは最初のうち伯爵夫人との距離をおいていたがあるきっかけを境に一気に距離を縮める。しかし、親しい関係は直ぐに終わることになる。最初は使用人の彼からの話からだった。話の内容は伯爵夫人様が夜な夜なきらびやかな宝石のドレスを身にまとって遊びに行かれている、というものだったしかしマキナはそれを否定した。しかし、日に日にその話が頭の中を駆け巡りやがて不安に変わった。翌日マキナは伯爵夫人の行動を確かめるために使用人から聞いた時間に偶然を装い玄関まで歩いた。そこで彼女が見たのは使用人から聞いた服装で外に出かけようとしていた夫人の姿だった。
彼女はマキナの存在に気づいたのか彼女のほうに振り向き「あら、マキナどうしたのこんな時間に?」と平然と話しかけてきた。
「お母様こそ、こんな夜遅くにお出かけになるのですか?」と返す。
「ええ、私はこれから舞踏会に行くのよ、そうだわ、マキナあなたも一緒にどう?」
「いいえ、お母様私は遠慮させていただきます」そう力ずよく言うと寝室に向かって速足で向かっていきました。
彼女が寝室に入ってしばらくするとドアをノックする音が聞こえてきました。
「どうぞ、入って」
「やぁ、マキナ伯爵夫人様の行動の真相はわかったかい?」と自信げに言ってきた。
「ええ、あなたの言った通りだったわよ。
今から舞踏会に行くみたい」