白雪姫は7人の小人に囲まれている。
彼らは白雪姫を愛している。白雪姫もまた彼らを愛してはいる。
しかし、仮に王子様がいなかったとしても彼らの中から王子様は生まれない。
7人の中に序列はなくて、皆んな平等に愛されている。でも、それ以上でも以下でもなくて、王子様にはなれない。
王子様になりたくてあがく小人がいたとして、白雪姫はそのあがきすらも気に留めない。
なぜなら彼らはモブだから。
白雪姫の人生にとってのモブにすぎないと気付いた時、彼らはどうするんだろう。
見えない、超えられない壁を前に立ち尽くすしかないのか。
モブのままでいいという小人もいるかもしれない。モブのままで終わりたく無い小人もいるかもしれない。
私は単なるモブで終わりたくない。
小人でもモブでもなんでも、王子様になってやる。
這い上がるしか、モブの私には方法がない。