三人のスーパーヒロイン | 新AK-3のいろいろブログ

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スーパーヒロイン、特にスーパーガール、スーパーウーマンについての妄想や鉄道の話し、たまにプロ野球の話しなんかもしたいと思ってます。

※このブログネタは99%の妄想と思い込みで、出来ています!

今回もチャット仲間のsugarさんの提供です。一部加筆させて頂きました。sugarさんありがとうございます。







2月のある日曜日のお話。


ハジメは妻の郁子、娘の郁乃、そして義母の沙織と郊外の自然公園に遊びに来ていた。


「そろそろ帰ろうか?」


ハジメは時計を見ながら言った。
時間は15時を越えたばかりだが、
2月になったとはいえ、まだまだ日が堕ちるのは早い。


「えー、まだあそびたいー」
「わがまま言わないの、パパは明日もお仕事早いんだから」


ぷぅと膨れる 郁乃を郁子が諭した。


「ちぇ、つまんなーい・・・」
「郁乃ちゃん、今度はもっと遠くの公園に行きましょ、一緒にお空を飛んで^^」



沙織が郁乃の頭を撫でながら言った。


「うん!行く^^」


一転して満面の笑みを浮かべる郁乃。


「えー、僕も行きたいなぁ」


今度はハジメが頬を膨らませる。


「じゃあ、ハジメくんは私が抱っこして飛んであげる^^」

そう、義母の沙織、嫁の郁子、娘の郁乃は親子三代のスーパーウーマン、スーパーガールなのである。

「え、お義母さんに抱っこ?ぜひお願いし・・・ってイテテ!!」


沙織の申し出に鼻の下が伸びきったハジメを、郁子が無言でギュッとつねった。


「イタタタ・・・じゃあ 、車を取ってくるんでちょっとここで待ってて・・・」


ハジメはそう言って一人、公園の外れにある駐車場に車を取りに向かった。


「はーい♪」


それを見送る二人のスーパーウーマンとスーパーガール。


「もう、お母さん、ちょっとは自重してよ」

「あら、もしかしてヤキモチ妬いてるの?^^」

「妬いてないわよ!」

「ママ、『ヤキモチ』ってなぁに?」


その時…


「ねえねえ♪」


突然背後から声をかけられた。
声をかけてきたのは2人組みのチャラい男たちだった。


「何かしら?」

「お姉さんたち、俺たちと遊ばない?」


ガタイのいい浅黒い肌の男がニヤニヤしながら言った。


「郁子、聞いた?『お姉さん』だって^^」

「もう、お母さんったら何喜んでんの!」


まんざらでもない様子の沙織さんを郁子が叱った。


「ごめんなさい、私たち連れがいるの」

「はぁ?そんなの関係ねーよ!」


やんわりと断りを入れた郁子に対して、もう一人の背の低いチンピラ風の男が甲高い声で凄む。


「へへ、力づくでも言う事聞いてもらうぜ」


下品に笑う男たち


「ちょっと痛い目にあわないと分からないみたいね・・・」


凛とした表情で睨みつける郁子。


「ふふ ふ、力づくだって・・・^^」


一方、沙織さんは口元を押さえ上品に笑った。


「な、何が可笑しい!」

沙織は足元に落ちていたスチールのショート缶をを拾った。

「力ずくっていうのはこうかしら?」

メキメキメキメキ…。

沙織は空き缶を握りしめあっという間に握り潰してしまった。しかしこれでは終わらなかった。
沙織はまっ平らになったしなやかな指先で空き缶を折り紙のように折り曲げ、あっという間に折り鶴を作って見せた。

「ハイッ🎵」

「す、すげー…」

「いたずらをする人は公園の端っこで休んでいて」

そう言うと、沙織はくちびるをすぼめ、フッと吐息をはいた。



「ぎゃあぁぁ!!」


沙織のスーパーブレスで猛スピードで地面とほぼ平行に飛んでいった男は、10m以上離れた公園の端にある大木に衝突した。


「こ、このやろう!!」


沙織に掴みかかろうとしたもう一人の男の足がすっと浮かび上がる。


「うわぁ!?」


いつの間にかスーパーガールのコスチュームに変身をした郁子がチビ男の後ろ襟を掴み持ち上げていのだ。
童顔に似つかわしくないたくましい身体はもはやスーパーガールというより、スーパーウーマンと言った方が合ってるだろう。

「こういう 事かもよ、お母さん」


郁子は持ち上げた男を空中でぶんぶんと振り回した。
「ぎゃああ」と悲鳴を上げる男、次の瞬間には先ほどの男と同じ運命と辿っていた。


「ママ、おばあちゃんすごい!」
「ふふふ、郁乃ちゃんもおじさんたちに遊んでもらいなさい^^」
「うん!」


郁乃は頷くと倒れた男たちの元へひとっ飛びした
空中で腰に手を当て男たちを睨みつける。
郁乃はいつの間にか白いシャツにの胸元にSのエンブレム、青いミニスカート、赤いマントのスーパーガール変身をしていた。

「ねえ、おじさん、郁乃ともあそんでよ^^」


郁乃がヒートビジョンを照射した。
男たちの足元の芝がボウッと燃え上がる。

「もう、悪いことはしない⁉」

いつの間にか、スーパーウーマンに変身をした沙織は男たちの足元に立っていた。後ろにはスーパーウーマン郁子とスーパーガール郁乃が宙で腰に手をあて、見下ろしていた。

「うわぁ~、女スーパーマンが3人も!!ひぃぃ!ごめんなさーいっ!!!」

「解ればヨシ」

凛々しかった沙織の顔が天使の微笑みに変わった。

「さあ、みんな行くわよ❤」

ビュン!!

風を切る音とともに、3人のスーパーヒロインは雲1つない青空へ姿を消した。



その時―――


「おーい!あれ?」


男たちと入れ替わるようにして、ハジメが戻ってきた。


「おまたせー・・・って、どこに行ったのかな?うわ!?」


いきなり腕に抱きついてきた沙織さんにに驚くハジメ。


「ふふ、わたしはやっぱりハジメくんの方がいいわ^^」
「ちょっと!お母さん、はーくんから離れてよ!」
「ずるーい!郁乃もー!」


負けじと郁子が反対側の腕に、郁乃が腰に抱きついた。


「ち、ちょっとみんな落ち着いて!」


ハジメは訳も分からずただ首をかしげるばかりだった。


おしまい