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…とある都市の銀行に強盗が入った。犯人たちは銀行にいた客、銀行員を人質にたてこもっていた。 警察と強盗一味の睨み合いが続いていた。
”バリン!”
突然、彗星のような光の球が銀行の窓ガラスを突き破った。
突然のできごとにたじろぐ強盗たち。 光の球はあっというまに無くなり、1人の少女が立っていた。少女はニッコリと微笑みながら両手を腰に当て立っていた。愛苦しい笑顔、そしてそれに似つかわしくない逞しい身体。その逞しい身体を強調するような青いボディースーツには「S」のマークがあしらわれ ていた。 言うなればスーパーガールのコスチュームを着た美少女ヘラクレスのようであった。
「な、なんだ?おまえは?」
目の前に突如現れた鋼鉄の美少女に、強盗たちはすっとんきょうな声を上げた。 鋼鉄の美少女はゆっくりと強盗たちに近付いていた。
「私の名前はソニン。地球を侵略する悪者からこの地球を守るために大銀河警備機構から派遣されてきたの。でもそのまえに、あなたたちをこらしめないといけないようね」
「なんだ?宇宙警備だ?地球を守る?おまえ、おかしいのか?おい!こんな小娘、相手になんかしているひまはないぞ。はやく縛り上げろ!」
子分の男たちは一斉にソニンに飛びついた。が、その瞬間、彼女の姿が消えた。
「うわぁ、なにをするんだ!」
ソニンの姿が消えたと同時に親分格の強盗から悲鳴が上がった。 子分たちはその悲鳴のする方を見ると、ソニンが猟銃の銃身をつかみネジ曲げていた。銃口は親分格の男の方に向いていた。
「さぁ、これでも私に、はむかうの?その銃を撃てばあなたが怪我をするだけよ」
「お、おい!おまえら!こ、この小娘をなんとかしろ!」
”バキューン!”
そのときである。子分の1人がソニンに向って拳銃を撃った。しかし、ソ ニンは空いていた左手で拳銃の弾丸をつかんでいたのだった。
「もう、まだわからないみたいね。それなら、こっちから行くわよ」
「うわぁ!」
”ゴン!”
ソニンが猟銃をつかんでいた右手を突き放すと親分格の男は壁にたたきつけられていた。
「この野郎!!」
今度は子分の中で一番体格のいいモヒカン刈りの男が殴りかかっていった。男は手に鉄パイプを持っていた。 しかし、ソニンは臆することなく身をかわし、同時に男から鉄パイプを取りあげていた。
「もう、こんなもので私に逆らおうなんて、無駄なことだって言っているでしょ!」
ソニンはそう言いながら取り上げた鉄パイプをアメのようにネジ曲げて見せた。
”コロン!”
アメのようにネジ曲がった鉄パイプを男の足元へ投げた。鉄パイプには彼女がつかんだ手の跡がクッキリと残っていた。
「だから、言っているでしょ!まだ、わからないの?」
次の瞬間、ソニンの姿が消えた。
「うわぁ!」
「いてぇ!」
彼女の姿が消えると同時に男たちから悲鳴があがり、次々と倒れていった。ソニンは人間の目では見えないスピードで移動をし、次々と男たちを一撃で倒していったのだった。 最後の男が倒れると同時にソニンは男たちが倒れているそばに現れた。
「さあ、みなさん。もうだいじょうぶですよ」
彼女は微笑みながら人質の方へ歩きだした。 彼女は人質を縛り上げているロープを次々と引きちぎり、人質を開放して いった。
やがて、銀行の中の騒を聞きつけた警察官が中へ入ってきた。
「あ、私の姿を見られたら大変なことになるわ…」
ソニンはそういうと姿を消した。 彼女が姿を消すのと同じぐらいに警官たちがドヤドヤと銀行の中へ入って きた。
「おまわりさん、こっち、こっち!」
警官が声のする方を見ると、1人の少女が立っていた。彼女の足元には、 ソニンに倒された強盗たちが横たわっていた。
「ま、まさか、この男たちをお嬢さんが?」
1人の警官が倒れている強盗たちと地球人の姿になったソニンを見比べていた。
「もう、おまわりさん。私これでも女ですよ。もっとも私がスーパーガールだったら話は別ですけれど…」
ソニンはそういうと後ろを振り向いてペロと舌をだした。
-おしまい-
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