【経過まとめ】

・悪性脳腫瘍 グレード4 左前頭葉の膠芽腫
 発症から約3年半(45か月)で永眠しました。

・2017年12月に膠芽腫を発症、2018年1月手術、
 2月~4月にテモゾロミドと放射線の標準治療を行いました。
・2018年5月にテモゾロミドを再開し、2020年1月まで安定。
・2020年2月に再発、3月よりアバスチン治療を開始。
・2020年11月に緩和ケアに移りました。
・2021年1月に脳梗塞で倒れ、急性期病院から緩和ケア病棟へ。
・2021年7月に緩和ケア用の有料老人ホームへ。
・2021年8月に永眠しました。
・はじめから終わりまで、よく眠っていました。

・発症当時、母は70歳で独居、3人の子供は別居でしたが、
 手術退院後に長女が同居し、日常の介助をしていました。
 長男と二女は通いや宿泊で手伝ってくれていました。
・母の治療方針を決める際は、
 兄弟3人で話し合って決めていました。


◆2017年
11月頃:失語症で発症。
12月:総合病院でMRI。
 左前頭葉に6㎝大の腫瘍。神経膠腫(グリオーマ)疑い。
◆2018年
1月:大学病院に転院。
 MRI下での開頭摘出手術。90%摘出。膠芽腫確定。
1月~4月:入院中にリハビリ実施。
 (言語聴覚士、作業療法士、理学療法士)
2月~4月:抗がん剤(テモゾロミド毎日)と
 放射線治療(週5日×6週)
4月:退院

 家の周りの散歩を始める。
5月:長女同居開始。
5月~:維持療法1(2020年 2月まで)

 (テモゾロミド月1回5日間服薬)
5月~:月1回の趣味のサークル活動再開(2020年12月まで)

5月:介護認定区分<要支援1>

 終日型デイサービスを見学するも母拒否感強し。

 直前のことの物忘れが増える。

7月:介護認定区分変更<要介護1>

7月~:介護サービスの利用開始
 (週2で、訪問看護、訪問リハビリ)
8月:大好きな「石原裕次郎展」へ。
9月:家族で母の故郷に旅行。
10月:高校時代の友人に会う。
 直前のことの物忘れが増える。
11月:2週間ほど二女宅で過ごす。
◆2019年

1月:週1で運動特化型のデイサービス(半日)へ(2020年3月まで)
2月:日光へ旅行。緩い坂で止まれない。
4月:南房総へ旅行。
5月:出先で迷子になって警察に保護される。

6月:アトルバスタチン(高脂血症用)飲み切り終了

7月:鍵を持っているのに分からず、家の前で待ちぼうけ。
8月:花火大会を観に。

 週1で終日型のデイサービスへ(2020年12月まで)

 イコサペント酸エチル(高脂血症用)飲み切り終了
9月:デイサービス(終日)を週2にする。
10月:出先で迷子になる。
11月:コンサートへ。
月1回の通院日は外食で気分転換。
◆2020年
1月:母の妹が会いに来る。
2月:再発疑い(発症から27か月)

 失禁が増える。

3月:アバスチンの治療を始めるため、

 近くの別の大学病院へ転院。

 介護認定区分変更<要介護3>

 半日のデイを止め、デイサービス(終日)を週3に。
 入浴の介助を始める。

3月~9月:維持療法2
 (テモゾロミド月1回5日間服薬
 +アバスチン2週間に1回の点滴)

4月:デイサービスでも傾眠が増える。

 散歩中片手で支えるだけだとふらつく。

5月:薬を口の中でもてあそぶようになる。

 薬の飲み込みが難しくなる。

 買い物カートをすごいスピードで押す。

6月:床からの立ち上がりが難しくなる。

 歯磨きの介助を始める。

7月:買い物カートを押していても、よろける。

8月:MRIで左に脳梗塞または再発腫瘍。
 (発症から33か月)

 テモゾロミド28クールで終了。

 ダイフェン(感染症予防)飲み切り終了。

 家で倒れていることがある。
 座ったまま寝てしまうことが増える。

 食事に時間がかかるようになる(1時間半以上)。

9月:アバスチン13回目で終了。

 支えなしでの起立が難しくなる。

 転倒、痙攣あり。5日間入院。(脳梗塞か?)

 退院後、歩行器の利用開始。

 体の向きを変えるのが難しくなる。
 長女休職。

10月:MRIに手術した箇所の隣に、
 1~2㎝の脳梗塞の所見。

 医師より治療継続の場合CVポートを薦められる。
11月:緩和ケアに移ることを決める。
 訪問診療医の面談。

 イーケプラ飲み切り終了。
12月:緩和ケア病棟の面談。
 介護施設を探し始める。

 食事中にむせることが増える。

 歯医者で口腔機能低下症の検査をするも、

 認知機能低下で指示通りに行うことが難しくなる。
◆2021年
1月:脳梗塞で急性期病院に搬送。
 (発症から37か月)
1月~7月:緩和ケア病棟に転院。
 (コロナ禍でも面会可能でした)
 点滴+流動食を経口摂取。

 ベッドから離床できず、

 リハビリと風船バレーなどで体を動かす。

 毎日大好きな石原裕次郎のCDを掛ける。

 家族の写真や家の周りのお散歩動画を見て過ごす。

3月:介護認定区分変更<要介護5>
4月:痙攣・チアノーゼ・共同偏視あり。
5月:発語が無くなる。開口拒否増える。

 食が進まない時も、大好きなアイスは大きな口でぱくぱく。

 酸素吸入が始まる。
5月~6月:熱を出す頻度が高くなる(やや肺炎気味)

7月:病院から施設へ転院時、半年振りに自宅に30分帰宅。
7月~8月:訪問医療・看護・介護を併設する
 緩和ケア用の有料老人ホームへ入所。
 (コロナ禍でも面会可能でした)
7月:栄養補給が点滴のみになる。
 熱発が増える。
8月:痰が絡むようになる。
 体位変換時に吐くようになる。
 四肢チアノーゼ、左瞳孔の縮小なくなる。
 1時間半ほどの下顎呼吸の後、永眠(発症から45か月)

 

【薬について】


・抗がん剤
 テモゾロミド 28クール(2018年5月~2020年8月)
 アバスチン 13回(2020年3月~2020年9月)
・痙攣予防のため
 イーケプラ(2017年12月~2020年11月)
・抗がん剤使用による感染症予防のため
 ダイフェン(2019年6月~2020年8月)
・高脂血症の既往症のため
 アトルバスタチン(~2019年6月)
 イコサペント酸エチル(~2019年8月)
・便秘のため
 ピムロ顆粒ほか(2020年10月~)
・脳梗塞の活性酸素による障害を防ぐため
 エダラボン(2020年1月)
・脳梗塞による脳浮腫の改善を図るため
 グリセレブ(2021年1月~2月)
・その他 解熱剤など

 

 

膠芽腫は厳しい病ですが、母には少しでも長く、

楽しい毎日を過ごしてほしいと思っていました。

母の大好きなアイスを、

最後まで食べさせてあげたいと思っていました。

 

同じ病を患う方やそのご家族も、

日々のちょっとした楽しみを見つけて、

穏やかな毎日を過ごしていただければなぁと思います。

 

(2022/04/16:母の状態の追記あり)