最近ではコロナの第4波が波高く広がっていますが、ニュースなどで変異株の話が良く出てきます。
「コロナの変異株」とはとんなものなのか調べてみました。
また、「変異株」の問題点や種類について知っておいてもらいたい点、日常生活でできる対策にても記載しましょう。
変異とは、生物やウイルスの遺伝子情報(簡単にいえば設計図のようなもの)が変化することです。
一般的に、ウイルスは増殖・流行していく過程で、少しずつ変異を起こしていきます。この変異したウイルスが変異株です。変異が起こるとウイルスの性質が変化し、感染しやすくなること、重症化しやすくなることがあります。
そのため、例えばインフルエンザのワクチンは、毎年その変異にあわせて、流行しそうなウイルス株を予測し、ワクチンが作られています。
新型コロナウイルスの場合、約2週間で1ヶ所のスピードで変異していると考えられています。これは、同じRNAウイルスであるインフルエンザウイルスと比比べると約半分のスピードです。
そのため、中国で最初に見つかった新型コロナウイルスと比べて、昨年末にイギリスで確認された変異株(VOC202012/01)では29ヶ所に変異が存在しているとされています。
変異株の問題点は、変異してもウイルスの性質が変わらない場合、特に問題はありません。しかし、変異により①感染力が増加する。②重症化しやすくなる。③免疫逃避を起こす…など場合には大きな問題となってきます。
一般的には、ウイルスの変異によって感染力や重症化のしやすさが劇的に変わることはあまりありません。ところが、新型コロナウイルスの場合、ウイルスの表面にあるスパイクタンパク質といわれる部分に変異がおきており、この変異によってヒトの細胞表面にあるACE2受容体と呼ばれ所に強固に結合するため、感染力が最大で約60~70%増加すると言われています。
一方、変異が重症化に関与するかどうかについては、現時点ではまだ明らかではありませんが、重症度が変わらなくても、感染者数が増えれば自然と重症者数も増えてしまうことになります。
ウイルスの変異株の型は無数にありますが、WHO(世界保健機構)は特に注意が必要な変異株について、「VOC」と「VOI」 の2つに分けて定義しています。
〔VOCとは、感染しやすい、重症化しやすい、ワクチンや治療薬が効きにくいことなどが、既に実証されている変異株〕
〔VOIとは、上記のVOCよりは警戒度は低いが、市中において複数の観戦例やクラスターが確認されている変異株〕
我が日本でもこのWHOの定義に沿って変異株を分類しており、2021年4月6日時点で国内の変異株はVOCが4種類、VOIが3種類の合計7種類となっていましす。
〇VOCの変異株。
①VOC-202012/01
イギリスで確認された変異株。従来株よりも感染しやすく、重症化しやすい可能性あり。130ヶ国で報告。
②501Y.V2
南アフリカで確認された変異株。従来株よりも感染しやすく、免疫やワクチンの効果を低下させる可能性あり。80ヶ国で報告。
③501Y.V3
ブラジルで確認された変異株。従来株よりも感染しやすく、免疫やワクチンの効果を低下させる可能性あり。45ヶ国で報告。
④P.3系統
フィリピンで報告された変異株。従来株よりも感染しやすく、免疫やワクチンの効果を低下させる可能性あり。
〇VOI
①R.1系統
起源不明の変異株。従来株よりも免疫やワクチンの効果を低下させる可能性あり。
②③B.1.427およびB.1.429
CDC(米国疾病対策センター)では、VOCに位置付けられている。従来株よりもやや感染しやすく、一部治療薬の効果を低下させる可能性あり。
◎問題点は変異株でもワクチンは効果あるのか?
ウイルスは、人の免疫から逃れるために「免疫逃避」という変異を起こします。この変異によって、すでにウイルスに感染したヒトが持っている抗体や、ワクチン接種によって作られた抗体が効きにくくなる可能性があるとされています。そのため、過去に新型コロナウイルスに感染した人も、「免疫逃避」の能力を持つ変異株には感染してしまうことや、現在接種が進みつつあるワクチンの効果が低下することが懸念されています。
◎私たちの予防法は?
個人の基本的な感染予防策は、変異株であっても、3蜜の回避。特にリスクの高い5つの場面。
(1)飲酒を伴う懇親会等。
(2)大人数や長時間におよぶ飲食。
(3)マスクなしでの会話。
(4)狭い空間での共同生活。
(5)居場所の切り替わり。
上記に加えて、マスクの着用、手洗いなどが、これまでと同様に有効です。
改めて感染予防対策に気をつけていきましょう。