小さい頃の記憶って

みんなどれくらい思い出せるんだろう

 

 

私は保育園ぐらいかなぁ

 

 

なんかだよく分からない場所で

母と私は手を繋ぎ、

少し離れた前方には父。

 

 

お金のことで揉めてたのか

母が私を連れて死ぬと言っていた

 

 

断片的にしか覚えてないけど

今でもたまに思い出す

 

 

 

幼いながらに母親に対して

”死ねばいのに”って思ってた。

 

 

「なんで私も死ななきゃいけないの?」

 

お前一人で死ねよ

 

そんな風に思ってた記憶

 

 

でも多分声には出していない…

 

 

 

その後どういう展開になったのかも

よく覚えていない。

 

 

でも母が私の手を握る力が強くて

痛くて最悪だった

 

 

物心ついた頃から母へは

憎しみと嫌悪感しか持っていない。

 

 

 

お箸を噛んでしまう癖があって

お箸の先を割ってしまうたびに

母に怒られて殴られた記憶がある。

 

 

あの頃は外に引きづり出されることも多くて

泣き叫んでも家には入れてくれなかった

 

 

なんでか知らないけど

手が血だらけになっていて、

白いドアが血で汚れてたのを思い出す

 

静岡の古いアパート。

 

榛原郡って地名だったと思う…

 

 

周りにも鳴き声は

響きき渡っていたはずなのに

誰も助けてはくれなかった。

 

 

 

なんであんなに泣いてたのか不思議

 

 

嫌ならそのまま逃げ出して

そのまま警察にでも行けば良かったのにね

 

 

そんな考えは当時はまだ

できなかったんだろうなぁ

 

 

父は単身赴任中で週末にしか

帰ってこなかったせいか

父の記憶はほとんどない。

 

 

あとは車の中からひきづり降ろされた記憶

 

 

母のモノマネをしてただけなのに

よっぽど気に入らなかったらしい

 

 

知らない場所で降ろされて

泣きながら車にしがみついた。

 

 

なんであんなに必死だったんだろうな…

 

 

つくづく子供の世界観って

親に支配されてるんだと思う。

 

 

 

『そ』っていう字が2パターンあることに

戸惑っていつまでたっても綺麗に書けず

夜中まで練習させられたこともあった

 

 

あまりにも書けなくて

母が次書けなかったら殺すって

包丁を持ち出してきた

 

 

泣きながら必死で練習したよね

 

 

思い出すのはいつだって嫌な記憶。

 

 

そのうち母が私の近くで

手を上にあげるだけで

殴られるんじゃないかって

顔を隠す仕草が出るようになった

 

 

恐怖心から反射的にやってしまう

 

 

でもそれが気に入らなかったのか

さらに母をキレさせる原因になった

 

 

抱きしめられたり褒められたり

優しく頭を撫でてもらった記憶はない

 

 

まったく幸せじゃなかった幼少期

 

 

いつからか母のことを

”殺してやる”って

思うようになった。

 

 

殺してこの女から逃げなきゃって。

 

 

異常だよね

 

 

今、私には3人の子供たちがいる。

 

 

息子二人はすでに小学生。

 

 

このぐらいの年からすでに

母を殺したいほど恨み

いつか殺して自由になってやるって思ってた

 

 

たまにニュースで子供が

親を惨殺する事件を見る。

 

 

私には少し気持ちが分かるんだよ

 

 

誰も助けてくれなかったんだよね

 

 

逃げ切れないと思ったんだよね

 

 

 

本当は愛されたかったし

あんなことしたくなかったはず…

 

 

子供は親を選んで生まれてくるなんて

絶対に嘘。

 

 

私はあんな女を選んでない

 

 

でも子供ながらに考えた結果、

親を殺したら自分の幸せが壊れることに

気がついた。

 

 

こんな女のせいで

自分の人生を台無しにしたくない。

 

 

だから殺すのはやめよう。

 

 

そう気づけた自分を誇りに思う。

 

 

そして私は早く自立したいと

思うようになった。

 

 

できるだけ母には関わらないように

 

 

できるだけ平穏に過ごして

早く家を出るんだ。

 

 

そうやって過ごしてきた幼少期。

 

 

一日でも早く大人になりたかった。