森町では52件の遺跡が見つかっています。

そのうち、26ヶ所は高速道路建設に伴う調査で発見。縄文時代の遺跡が多く見られます。

森町代表的な遺跡

鷲ノ木遺跡(わしのき)

北海道森町鷲ノ木町

2003(平成15)年高速道路の建設中に発見

遺跡直下をトンネル化し現地保存することとなったが、2016年元の状態ではないため、世界遺産の推薦候補から除外され、関連遺産となった。2006(平成18)年国指定史跡に認定

縄文時代前期から続縄文時代

遺跡全体が1640年に噴火した駒ヶ岳の火山灰に覆われていたため、保存状態が良好な状態で残る。

縄文時代後期前半(約4,000年前)の環状列石と堅穴墓域を中心とした遺跡

北日本における環状列石や墓制、祭祀などの精神世界、北海道と本州の交流について考える上で重要であると同時に北海道独自の墓制である周堤墓の成立過程を探ることができる重要な遺構である。

北海道最大の環状列石(ストーンサークル)

(全国的には3番目に大きい)

石を環状に配置した古代の配石遺構や遺跡

環状列石は中央の配石とそれを中心にし、５０ｃｍほどの間をあけて配置された二重の列石から構成され、外周は南北３７ｍ、東西３４ｍの規模で、ほぼ円形である。環状列石を構成している礫の大きさは２０から８０ｃｍ、総数は約５３０個で内側の方がやや大きい傾向がある。

構造や礫の配置などには北東北の環状列石とは異なった状況もみられ、配石下の土坑などが確認されていないことから、環状列石自体は墓地として機能していない可能性が強い。

堅穴墓域

環状列石の南側5メートルほどの場所に、大小10個の土坑壙(穴)を内部に持つ竪穴墓域が発見されました。出土した遺物や土の堆積状況から墓と考えらる。

これとよく似たお墓で周堤墓がある。

周堤墓

約3000年前縄文時代後期後葉〜晩期初頭に道央や道東で造られた土堤で囲まれた墓地

(千歳市キウス周堤墓群、恵庭市柏木B遺跡など)

周堤墓と比較すると、鷲ノ木遺跡の竪穴墓域の周囲には環状の土塁が見られません。さらにこれまで発見されている周堤墓よりも時期が古いものなので、周堤墓がどうやってつくられるようになったのかを考えるうえで、とても重要な遺溝である。

鷲ノ木遺跡の見学は土日、予約必須なので未訪問

〜鷲ノ木遺跡出土品〜

[板状土偶]

大型の板状土偶

胴体の部分は出土していないが、完成形30cmを超える大きさ

右腕には補修跡が見られます。

[埋設土器]

角張ったうずまき文様が踊る土器

煮炊きや骨壺として利用したと考えられている。

鷲ノ木遺跡に隣接する

【鷲ノ木4遺跡】

縄文時代後期を主体する遺跡

縄文時代早期から続縄文時代までの遺物や石垣状配石などの遺構が発見されています。

〜鷲ノ木4遺跡出土品〜

[鐸形土製品]

縄文時代後期前半(4,000年前)に

北海道南部から東北地方で造られた祭祀·儀式の道具。お寺の鐘の形をしたような土製品

(鷲ノ木遺跡からも出土)

[イカ形土製品]

森町の名産「いかめし」にそっくり

普通の鐸形土製品よりやや大きく、イカを思わせる三角の頭部をしています。

唯一無二な形

鷲ノ木4遺跡しか出土していない。

縄文人もイカを食べていた？

〜他森町の遺跡の出土品〜

祈りの道具

土偶や石棒は用途不明な道具は祭りや祈りなど特別は日に使用されたとものと考えれている。

[島崎遺跡付近採集の土偶]

1980年頃発見

縄文時代後期

亀ヶ岡文化に広がった遮光器土偶の様子が見受けられる。

[岩偶]

尾白内貝塚出土(続縄文時代)

黒曜石製の石製品

土偶と同様に当時の信仰を表すものと考えられている。

森町遺跡発掘調査事務所展示室

森町の遺跡から出土した出土品の調査·研究·管理·展示を行っています。

立派なファイル入りパンフレットを配布していました。(2022年10月)

縄文時代の遺跡(鷲ノ木遺跡他)の他に森町の文化財(森桟橋跡、冷凍機械、陣屋跡)などマニアックな場所を紹介

イカ形土製品カード

【鷲ノ木遺跡】