垣ノ島遺跡(かきのしま)

北海道函館市南茅部

2011(平成23)年国の史跡に指定

2021(令和3)年「北海道·北東北の縄文遺跡群」として世界文化遺産に登録

居住域·墓域の分離などを示す集落遺跡

長さ190メートルに及ぶ「コ」(Ｕ)の字形をした大規模な盛土遺構は、国内最大級の規模

北海道内での縄文時代の遺跡として最大規模

縄文時代早期前半(約9000年前)〜後期後半(約3500年前)

縄文時代早期前半(約9000年前)の墓制、駒ケ岳噴火による集落断絶、後期初頭の盛土遺構から後期後半(約3500年前)に至る約6000年長期にわたり暮らした縄文人の集落の変遷と生活痕跡が確認できる。

定住開始期後半の集落遺跡であり、沿岸地域における生活や、耐久性があり長期間居住できる竪穴建物の出現、日常(居住域)と非日常(墓域)の空間の区別など集落の様子や精神文化の変遷を示す重要な遺跡

太平洋に面した海岸段丘上に位置する。

盛り土遺構

紀元前2,000年頃(4000年前)に構築された長さ190メートルに及ぶ「コ」(Ｕ)の字形をした大規模な盛土遺構は、国内最大級の規模

盛土には大量の遺物が含まれていることから、

「送り場」など祭祀・儀礼の場と考えられ、当時の社会性や精神性の変遷を示す遺構として、今なお視覚的に確認できる重要な記念物です。

縄文人の食料となった栗

竪穴建物のような発掘体験施設

[垣ノ島A遺跡]

縄文時代早期の土坑群と中期から晩期までの集落遺跡

早期の土坑墓からは足形付土版など多数出土

〜出土品〜

【足形付土版】

幼子の足形や手形をつけて焼いた約6500年前の土版が坑底から17枚出土している。足形付土版は東北地方から北海道にかけて出土しているが縄文時代早期後半のものは出土例が少なく、3個重なった状態で出土するなど貴重な発見があった

【香炉形土器】※写真なし

縄文時代後期後半の透かし彫りの入った香炉形土器。建物の廃棄儀礼に使われたのではないかとされている。

【漆塗り注口土器】

縄文後期（約3200年前）に作られた朱漆色の朱色注口土器が垣ノ島A遺跡の住居址から完全な状態で出土。北海道2点目の出土

垣ノ島川対岸にある

[垣ノ島B遺跡]

縄文時代早期前半(約9000－8000年前)の竪穴建物5軒と土坑墓12基、約6500年前の縄文時代早期後半の土坑墓38基、年代不明の土坑墓が42基が発見された。縄文時代の早期の土坑墓から約9000年前の漆による装飾品としては世界最古の副葬品が出土

史跡垣ノ島遺跡管理棟

世界遺産一覧表記載認定証

【垣ノ島遺跡】