夢のよう、という表現 | 本橋ユウコの部屋

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朝(というかさっき)起きたら、まだ夢かと思った。。
それも、どっちかいうと”悪いほう”の夢。



アメリカ下院議会で、不良債権の公的資金買取法案が否決されてたよ…。ニュース…。



…っええぇーーーーーーーーーー??!!!!!(愕然)


そ、そんなことしてどうすんの!!(汗)
マジで世界を終わらす気かー!?アルマゲドン並みだぞ衝撃レベル!
ほんと考えられない…。(途方にくれる。。)




もう、あれですか…?

つまりこれが、「民主主義の限界」ってやつですか…?



政権側に立つはずの共和党議員の多数が造反して、法案否決に回ったのは、この法案が
「税金でウォール街の金満連中を救うのか?」
という、アメリカ庶民の怨嗟からくる強烈な反発を引き起こしているからでもあって。
…つまり、近い先に選挙を控えた自分の票に響くことを恐れた、という…。


……結局、みんな自分一個の利害、のみならず感情、を離れることなんて出来ないんだよね。。


今までアコギな金儲けに走ってきた「金融界の奴ら」なんか知ったことか!と、きっと多くの人が思ったんだろう。それこそアメリカ式に、唾でも吐き掛けたい気持ちで。
長年、マンハッタンの高層ビルの豪華なフロアに生息する人々を、憧れの溜息とともに羨望と嫉妬をこめて見上げてきたのだろうから。


でも、そうやっていま、溜飲を下げているであろう米市民の多くには、多分、「何も見えてない」。


もう自国には金融業以上に巨額の「外貨」を稼げる基幹産業なんて存在しないことも。(軍需産業はまた別)

そうやって世界中からかき集められた「外貨」のわずかなおこぼれから、自分たちの単純労働の対価が支払われていたのだということも。

どんなに憎らしいと思って、軽蔑しても、アメリカを含む世界各国に毛細血管のように広がる「マネー」の流れの中に、その「ウォール街の連中」(銀行、証券会社、投資銀行、ファンド等々…)も正に巨大に位置していてしまっていて、好むと好まざるとに関わらず、そこがいったん詰まるとか、破裂するとかした時に…奔流のような世界の「血の流れ」が止まったとしたら、その時は。


…毛細血管の末端で「壊死」する細胞の中に、”自分だけが”含まれない理由なんて何処にも無いのに。


それが世界を覆う「金融システム」という言葉の本当の恐怖だ。
だから、何も見えてないとしか、私には思えない…。



これから世界はどこへ向かうんだろう?

やっぱり、「あの時」と同じ結末しかないんだろうか?



そして”その後”にも、世界はこれまでのように続いて行けるんだろうか…?



つい前回、私は「諸行無常」なんて穏やかな言葉をこのブログに書いたんだけど。
これからのことを書くとしたら、そんな薄ら明るいイメージではもう足りなくて。



多分、「末法の世」とかがふさわしいんじゃないかな…?



皆が、自分ひとりのことしか見れない。
自分ひとりが生き残るためなら、きっとどんな選択でもする。

後の時代から見たらどんなに愚かに見える選択であっても。




それは文明世界とか民主主義社会が崩壊したとしても、人間は生きていかなくてはならないから…。