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ども。大分眠いんですが、書けるところまで書こうと思います…。


つい先日のリーマン・ショックに端を発した世界金融恐慌直前状況(とはっきり言っていいだろう)は、いまだ収束には程遠い状況で、とりわけこの一~二日の「日米欧中央銀行共同介入」の歴史的ニュースの様子なんかを見ていると、それがほとんどアレを想起させてしまったりするわけですよ…。

アレ→「たとえば超・凶悪な宇宙生命体の大群と戦う全地球連合軍」(爆)

…なんかそう見えませんでしたかっ!?☆
いえいえ決して悪ふざけで言ってるんじゃないですよ?(汗)


本当に、それほどの深刻かつ巨大な危機の最中に、昨日おとといあたりの世界は確かにあったのだと。


そんじゃ我らが”正義の”全(じゃないけど)地球連合軍は一体、何処のどんなものと戦っていたのか?
これもハッキリ言ってしまうとね。

つまりは、”眼前に長々と横たわる、自らの巨大な影”ですよ。

別に遠い宇宙のどっかからきた物でも何でもない。自分たちが生み出した”怪物”と、必死に戦っている。


先日の地球連合軍(仮)が死に物狂いで守ろうとしていたのが
「世界の金融システムそのもの」
だったとして、その
「金融システム自体の暴走」
が、なかば歴史の必然的に招いたのが今回の大混乱であろう、と。


行くところまで行き着いた(現代の)資本主義 = 人間の底無しの欲望


レバレッジ(=梃子のこと)金融とかいう、少ない元手を担保に大きな借金をして、それを入り組んだ複雑な投資に回すことで結果的に巨額の利益を得られる―という冷静に考えればどう考えてもマユツバっぽいニオイのする手法、それが”最先端の技術だ”とかもてはやされ、流布され学ばれ、皆が皆、自分の資産だけを増やすことに血眼になってる状況。
国も企業も個人も、みんなが…。
このかなり異様な?状況を「金融システム」と呼ぶのなら、それはいつか必ず崩壊する運命にある。

だって、この地球には限りがあるのに、「利益は限りなく大きくなり続けなければならない」のだから。

それって…つまり”バブル”ってことでしょ?ものすごく巨大な…。



学者には、この二十年ばかりの世界が、そもそも「スーパー・バブルだった」という人もいるようです。

十数年前に日本で土地神話が崩壊し、不動産バブルが弾けて酷いことになった。
その、超超…スーーーーパーーーーー巨大バージョンってこと。

衝撃の深さも、傷口の大きさも、知れようというもの。。



つくづく思うのは「どっかの時点で、誰かが”禁断の宝物の箱”を開けたんだな…」ということです。


禁断の宝物の箱…。
その中に入っていたのは、恐ろしく魅力的な、”魔力”のある道具の数々で。

「金こそすべてだ」

「金で買えない物など、この世に何ひとつ無い」

「金のためなら、自分が利益を得る為なら、たとえ”何をしても”構わない」

「そのために世界がやがて滅びようが、自分さえ良ければ、別に知ったことでは無い」


これらは思想的な麻薬のようでもあって、一度でもそれを使うと途中で止めることができない。
今ある利益は、この先もっともっと大きくなる(はずの)利益によってしか保証されえないのだから。
断崖絶壁の上のマネーゲームを永遠に続けるしかない。


でも。
この麻薬のような禁断の道具には、深刻な副作用があったのですよ。

「不信」「恐怖」「猜疑」

という…。
一度でも何かのきっかけで歯車が狂い始めると、とたんに雪崩をうつように、我勝ちに皆がその場を逃げ出そうとする。
……何故って?それは皆、”自分が”これまでしてきたことを覚えているから……。


「自分の利益のためなら、誰が、どんな目に遭おうと気にすることは無い」


今度は自分が、”罠”にかかるのではないか?
今度は自分が、誰かの負債の肩代わりをさせられるのではないか?
今度は自分が、”売り浴びせられる”側、”売り抜けられる”側になるのではないか?
今度は自分が、何も知らずに、巨額の損失を掴まされるのではないか?

今度は自分が、全てを失って破滅するのではないか…?


こうした麻薬のような”毒”による重篤な副作用が、あまりに広範囲に、あまりに深く、いつの間にか世の中全体に広まってしまっていたために、今はまだ誰にもこの混乱から抜け出す方法が見えないのです。

それが、この金融危機の本当の正体ではないか、と。




…こんなことを考えつつ、ふと何を思ったかずっと昔の自分の書いた記事を覗いてみて、ちょっと符合にビックリしたりしましたね。。意味的に、ほとんど同じようなこと書いてた…。

忘れもしない、ドラマ「ハゲタカ」にこのブログで初めて言及したカテゴリ第一回目の記事です。。



「ハゲタカもうすぐ再放送。。」

http://blogs.yahoo.co.jp/yu_mogumogu/7780466.html



金だけを、自分一個の利益だけを、なりふり構わず追っていった先には、そこには何か”暗いもの”がひょっとして横たわってはいないだろうか…?


あの時は、まさかこれほど巨大な影に世界が覆いつくされるようになるとは正直、思いもしなかった。


そして、ドラマ「ハゲタカ」がこれほど早く、これほど重要なことを教えてくれていたとも…。



正しく今こそ、”ドラマ「ハゲタカ」劇場版”の全世界同時公開を、心から、切に望んでやみません☆