今シーズンこれまでのプレミアリーグで最も好調なチーム同士の対戦。

絶好調のシティはアンフィールドが苦手という意味でも面白い一戦。

 

リバプールはコウチーニョがバルサへ移籍したものの、フィルミーノ、マネ、サラーの3トップは言うまでもなく強力なアタッカー陣。

念願の補強どころであるCBのファン・ダイクを獲得したもののこの試合は、ハムストリングの違和感で欠場。

チームは好調を維持しており、中でもサラーが17得点とここまでフィットするとは思っていなかった。

 

アウェイのシティはペップ体制2年目で完成しつつあるように思える。

「ポジショナルプレー」理論が認識され、現代のフットボールは、この理論抜きに語ることは出来ない。

今シーズンの強さは本物だろう。

特にスターリング、サネの成長が著しく選手としての成熟度をペップが引き上げている。

それはペップの理論がもたらすものであり、ここまで変わるのかと感心するばかり。

フェルナンジーニョがビルドアップに参加し、WGのサネとスターリングがサイドに開いたままというのが基本的なスタートポジション。

SBはビルドアップ時に絞る偽インテリオール。

そして、デ・ブライネの高精度ロングキックで展開し、サイドで優位な1対1を作ることもペップのサッカーで重要なタスクを担っている。

 

システムはリバプール4-1-2-3、シティ4-1-2-3とお互い同じシステムを採用。

リバプールの守備はシステムをあまり崩さずに前からプレス。

シティの守備はデ・ブライネもしくはギュンドアンを1列上げて4-4-2を形成し、前から圧力をかける。

 

前半のポイントは、シティのボール保持を効果的にさせなかったリバプールの組織的なプレッシングが素晴らしかった。

さすがクロップのチーム。

連動、インテンシティ、速さ、どれも組織的なプレスの完成度が高い。

先制点を取ったチェンバレンは、このチームでのびのびとプレーしているように見えた。

典型的なスピードアタッカーであり、イングランド人らしい選手なのでリバプールの伝統的なカウンタースタイルにフィットしている。

シティの組み立てのキーであるフェルナンジーニョに対しては、エムレ・ジャンが自陣深くまでついてくるため、なかなか組み立てに参加出来ていなかった。

たまらずギュンドアンまでビルドアップに落ちてくるシーンもあった。

CBオタメンディには比較的ボールを持たせるが、効果的なビルドアップは苦手なため、あえて追いかけない印象。

 

シティはウォーカーのロングパスから、サネがゴールを奪った。

この形はまさにシティの狙う形であり、「ハーフスペース」という概念が生み出したもの。この概念については日本でも近年、様々な記事がでているので詳しくは割愛。

斜めのパスの有効性を最大限に生かした。

ジョー・ゴメスを責めるよりも、その対応を見て判断を変えたサネを褒めるべきだろう。

 

後半はシティが多少の修正をするかに思ったが、やり方に変更はなし。

それがあだとなったのは言うまでもない。

シティの組み立ての生命線であるフェルナンジーニョを完全にエムレ・ジャンに徹底マークされ、それを回避するために手を打つかと思ったが、何もしなかったためオタメンディがハメられた形に。

フェルナンジーニョを完全にCBの間に落としてという形やギュンドアン、デ・ブライネに積極的にビルドアップに参加させるとことで回避する手もあったはず。

リバプールはシティがビルドアップする際には、エムレ・ジャンを1列上げて4-2-3-1の形がハマっていた。

影のMVPはエムレ・ジャンだろう。

運動量、球際の強さ、そしてダイナミックなランによる縦への推進力。

ケディラ以上の選手になるのではないだろうか。

最後はシティが意地を見せ、2点を返すが反撃もそこまで。

 

総評としては、まさに「This is Anfield」

アンフィールドのリバプールはほんとに強い。

理論や理屈を覆すフットボールが見られ、これこそまさにプレミアリーグの醍醐味。

クロップのフットボールを存分に選手が表現できていた。

裏を返せば、今のシティは大前提とにかくファイトしなければ倒せない。

セネガル代表サディオ・マネはかなりやっかいなストライカーだと再確認。