15kg | 猫より眠たがり

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出張の備忘録と、出張先での安泰な生活ぶりを日本に伝える緊張感のないブログです。
仕事仲間にばれないように、記事はアメーバ限定公開。
帰国中は記事の更新は行いませんぞ。(キッパリ)

インドの国内線の預け入れ荷物の重量制限は15kg。機内持ち込み手荷物の重量制限は7kg。
とはいえ、出張のためにいろいろと資料を持ってきているし、雑貨も多いのでこれに納まるはずも無く、移動のたびに超過料金を支払っている。

私の場合、3週間の滞在だとスーツケースの重量が25kg弱になるみたい。荷物を少なめにしてもね。
超過料金は10kgオーバーで5,000円位。

土曜日の帰国を控え、主だった打合せを終えた木曜日頃から少しずつ荷物をスーツケースに片付けていった。日本から持ってきた紙の資料は処分したし、食料品はあらかた食べ終わった。シャンプーやクリニカは残り少ないので捨てていってしまう。

帰りは行きよりも荷物はだいぶ軽くなった筈。いや、くだらない物を買ったので行きとトントンかな。


と、そこに部屋の電話が鳴った。今回の打合せ相手のインド人の声。「2分だけ会えないか、ホテルのロビーで待っている」とのこと。彼は自分の会社を何とかして日本に売り込みたいらしい。でも打合せでいい加減さを知っちゃったから仕事のパートナーには成り得ないな。

部屋を出るとエレベーターホールに氏の姿。おいおい、ロビーで待ってるんじゃなかったのかい。

話の内容はおおかたの予想通り。別のプロジェクトでも一緒に組もうとか何とか。辟易としながら形どおりの挨拶を交わしたところで、プレゼントを渡された。その瞬間に思った。「やべぇ、これ超過料金が増える!」

贈り物の中身はシャンパン。おしゃれなケースに収まっているので、きっとそれなりの代物。
だけど液体なので飛行機で運ぶには預け入れ荷物に入れないといけないし、ましてガラスが割れないように厳重に包装するとますます重くなる。ボトル入りの液体って、迷惑なみやげ物の代表じゃねえか。日本に持ち帰ったところでシャンパンなんて飲まないし。
部屋に出張者を集めてボトルを空けるのが正解か?とりあえず冷蔵庫で冷やしておくことにした。

そして翌朝。この街での最後の出勤のためにホテルのロビー階に下りてローカルスタッフのS君の顔を見て閃いた。

「バゲージにスペース余ってる?」「昨夜、シャンパン貰ったんだけど、要らないからあげる」「入らなかったら、今晩飲んじゃってよ」「デリーに持って帰るなら、預け入れ荷物だよ」

矢継ぎ早に話かけ、昨夜からの悩みは解決。

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昼前、訪問先での最後のミーティング。昨夕にシャンパンを贈ってくれた氏は、こちらの訪問先のコンサルタント。私とは意見の不一致が多く、結局は屁理屈のディベートで負けてしまった。インド人に語学力と屁理屈で敵う訳がない。

そして簡単な打合せの後、訪問先の方に滞在中のお礼を言って帰ろうとした矢先のこと、

「!」

ありがちなんだけどね、

この土地の名所の模型、それもスーツケースに入るかどうかという立派なケースに入った模型がプレゼントとして用意されていた。それも日本人とローカルスタッフのS君も含めた人数分。いやぁ、これまでにもあちこちの国で、小皿や民族衣装の帽子、観光地の写真集、コーヒー豆、小物、ジャム等々をお土産にいただいたことはあるけど、この大きさは初めて。しかも乱暴に扱うと直ぐにケースが壊れちゃいそう。そして大切に日本に持って帰ったとしても、その先はどうしたらいいのか判らない。だって名所らしいけど行ったことが無い場所の模型なのでよく判らない。シャンパンをS君に押し付けて安堵していたものの、これは予想しなかった展開。

それでもホテルに戻り、S君にシャンパンを見せたら洒落たカバーに入っていたのが気に入ったようで、喜んで引き取ってくれた。彼は一夜にしてシャンパンと大きくて脆い模型という、どちらも飛行機で運ぶには面倒なものを入手したわけだ。

部屋に戻り、2時間ほどかけて荷造りの総まとめ。明日の朝にシャワーを浴びて着替えたら洗濯物をスーツケースに入れればおしまい、というところまで片付けた。

本当は、手荷物にいろいろ詰め込んで、スーツケースをできるだけ軽くしようと思ったんだけど、結局は模型がどこにも入らないために、ビニール袋のままぶら下げて持ち帰ることにした。
負担を減らすために手荷物を少なめにせざるを得ず、結局、預け入れ荷物が軽くならない。

飛行機で移動する人へのお土産は、軽くて嵩張らずに押しても壊れず、液体が入っていないものにしてくださいね。