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広島市中区で19日開幕した「第26回全国菓子大博覧会・広島」(ひろしま菓子博2013、実行委主催)で、実行委が電動車椅子の利用者の入場を拒否していたことが分かった。会場内に物産ブースを出している授産施設で作る団体などが抗議し、実行委は20日、来場者の少ない平日に限定して入場を認めることを決めた。
開幕前日の18日、電動車椅子のスタッフが会場を下見していると、実行委から「電動車椅子は暴走すると危ない」として入場できないと注意された。授産施設側や広島県障害者支援課などが撤回を求めると、実行委は来場者の少ない平日のみ認めると変更した。
ただ、土日祝日は「乗っている本人や周囲の安全を保証できない」として、スタッフも含めて手動式の車椅子への乗り換えを求めるという。授産施設側は「電動車椅子は1人で動くためのもの。普通の車椅子では押す人がおらず、動けない」と訴えている。
菓子博は旧広島市民球場跡地などを会場に、5月12日まで開かれている。
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Disablesの方々にとって重要な移動手段である電動車いすの入場を「暴走」を理由に断っています。基本仕様であれば時速6km/hが限界、微妙な速度調整も可能な電動車いすが暴走するもんか。そもそも、電動車イスの操縦に不慣れな方は、会場にたどり着けないだろうし。また、上述の記事にあるとおり、この会場は旧市民球場跡地を加えた広いエリアに跨っており、普段電動車イスを利用されている方が、手動タイプに乗り換えたとしたら、とても回れる範囲ではない。

更に驚いたことに、
ひろしま菓子博2013のテーマは、『世界にとどけ!笑顔をむすぶ お菓子のちから』、
同じく実施方針には、
● 「安全性」、「快適性」、「ホスピタリティ」を基本とし、来場者が安全で快適に楽しめる運営を行う。
● 実施運営本部を設置し、組織的な体制のもと運営を行うとともに、運営管理区域を設け、適切な要員(スタッフ、警備員、ボランティア等)の配置とその運用を行う。
● 安全性、快適性の確保に重点を置いた会場管理を実施するとともに、ホスピタリティあふれる会場サービスを提供する。
とある。
「ホスピタリティ」が2度出てきます。「ホスピタリティ」って、「厚い思いやり」のことですよ。ボランティアも揃えているようなので、仮に電動車イスが危険要因となりうる箇所があれば、そこだけ手動モードに切り替えボランティアがサポートする対策とか「思いやり」ある方策はあるじゃないですかねぇ。
バリアフリーが当たり前の時代に、心のバリアを設けるような大会が日本で開かれるとは恥ずかしい。実行委員会は広島県経営革新課が務めており、開催には広島県、広島市も出資。国際平和都市を謳う広島県のホスピタリティって何でしょうか。響きのいい言葉だけ並べて中身が無い気がする。
更に更に、4月21日現在、ひろしま菓子博2013のHPには、
とだけあり、いまだに「平日ならOK」とは一言も書いてない。やはり、電動車イスはできるだけ来るなって意味なんでしょうね。
うーむ。準備不足?企画ミス?イベントキャラクターは準備できても、時代錯誤には気づけなかったんだねぇ。いずれ、キャラクターの名前は忘れられ、ダウンした広島のイメージだけが残りますな。これが広島県経営革新課の選択なのですね。
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そういえば、観光地で、電動車イスから施設側が用意した車椅子への乗換を促されたことがあります。このときは「ホスピタリティ」を感じました。場所は水戸の「桜田門外ノ変」ロケセット。場内は雪に見立てた砂が敷き詰められており、通常の車いすのタイヤでは走行困難なため、砂地でも走行できる車いすが準備されていたのです。
笑顔が素敵な地元のおじさんたち、ホスピタリティに溢れていたなぁ。