兵庫県南西部に位置する龍野（たつの）へはじめて行って来ました。

姫路駅から姫新線で約20分、本竜野駅下車。

本竜野（ほんたつの）駅、新しくてシンプルでスタイリッシュでした。

駅から目的地へ歩いていると、こちらも同じく無駄のない美的な建物が。

「ヒガシマル醤油株式会社」でした。

醤油工場のタンク。

手延べそうめん・揖保乃糸（いぼのいと）の工場もありました。

揖保川（いぼがわ）にかかる龍野橋を渡ります。

とても広くて豊富な流量、下流域に近いところですが鮮烈できれいな水が滔々と流れていました。

きっと龍神様がいらっしゃるのですね。

鳥取県境に源を発し、龍野のほぼ中央部を流れる母なる川です。

龍野は城下町で、一部が国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。

石畳みの道の両側に古い建物が立ち並んでいてお寺も多く、鞆の浦と似た雰囲気です。

こちらは「こうじやさん」の『井戸糀店』

・・例によって道に迷い、人に尋ねながらようやく目的地に辿り着きました。

奥の右手には「醤油の里　大正ロマン館」、

左端の白い建物が「クラテラスたつの」です。

龍野の名産品コーナーや、カフェがあります。

名産品コーナーの一角に「６つの醤油の味比べ」。

醤油の違いを知ろう！というワークショップのお知らせがありました。

龍野は醤油とそうめんで有名な町。

龍野醤油は、1500年代から播州赤穂（ばんしゅうあこう）平野の小麦と三日月の大豆、赤穂の塩、揖保川の軟水という地産の良質な原料に恵まれた環境で育まれてきました。

（良質な小麦の入手が容易だったので、のちにそうめん製造業も興りました）

醤油の中でも色の薄い「淡口醤油」は龍野が発祥の地で、生産量は日本一。

龍野の淡口醤油は甘酒が入っています。

甘酒を使う方法は1660年ごろ、龍野で発明されました。

濃口醤油に比べて塩分がやや高く、醤油の香りが穏やかで甘味があるのが特徴。

少量使うだけでしっかりと味がつき、だしの香りや素材の味を活かします。

「クラテラスたつの」のカフェではこだわりの「発酵ランチ」がいただけます。

（上の3枚のリーフレットから抜粋します）

"食べる”という行為は、生命誕生から始まった生きるために欠かせないもので、人体（身体）はまさに日々食べたもので出来ています。

ふだん意識しなくても、わたしたちはついさっき食べたもので、そしてこれから食べようとしているものを材料にして、細胞のひとつひとつが今この瞬間も、エネルギーを産み出し新しく作り替え、不要なものを排出しているのです。

"食べ方”によって"エネルギー産生”の効率や速度が変わり、疲労回復の度合いをはじめあらゆるホルモンバランスや免疫機能までもが左右されます。

クラテラスの無添加腸活発酵ランチは、「食べるほど、きれいに、健やかに」をコンセプトにしています。

地元食材を優先使用し、肉や魚はあえて使っていません。

昔ながらの伝統的な製法で作られた発酵調味料をはじめ、食物繊維や良質なタンパク質を豊富に含む大豆製品や乾物などを積極的に取り入れています。

「美味しいなあ」と笑顔で食べる食事には、想像以上の良い効果があります。

副交感神経が優位になることで消化液が盛んに分泌され、消化吸収がスムーズになり、栄養素の吸収やエネルギー代謝もＵＰします。

また、幸せホルモン"オキシトシン”などの分泌によりストレスが和らぎ、気持ちが穏やかに豊かになります。

栄養バランスや環境に配慮された身体に良いと言われる食事でも、悲しい気持ちやイライラした気持ち、寂しい雰囲気で食べると消化も悪く栄養の吸収も落ちてしまいます。

極端な話、健康食の対極と言われる"ファストフード”を親しい仲間とわいわい楽しみながら食べたほうが、身体には良いということもあるのです。

クラテラスでは「美味しい！」と感じられることを大切に、心も身体も豊かになる食を目指しています。

よくわかりました(*´ω｀)

いっただっきまーす！！

(^O^)／

美味しいとはこういうことなんだ。

食べて飲み込むと、それを待っていて身体の内側から喜んで迎えに来ている感じ。

迎えに来ているのは、料理研究家の土井さんの仰る、同じゲノムなのかな。

外と内の自然が繋がり、外も内もひとつになる感覚。

だから違和感が全くなく身体の隅々に行き渡ります。

どれもほんとうに美味しかったですが、とりわけ「玄米ごはん」は今まで食べた玄米ごはんの中でいちばん美味しかったです。

たつの市産の紫黒米（しこくまい）入り玄米ごはんで圧力鍋で炊いてあり、柔らかくてモッチモチで最後の一口まで感動でした。

あんまりおいしいのでにこにこしながらいただきました。

ごちそうさまでした！<(_ _)>

道端には醤油もろみの販売機もありました。

たくさんのお醤油屋さんがありますが、こちらは風格のある煙突が目を引きました。

駅へ戻る道すがら、市営駐車場の一角にある建物内に特産品の自販機がありました。

壁に貼ってあった「畳堤」なる紹介。

初めて知りました。

揖保川の緊急時の防災対策として、昭和20年代に考えられた特殊な堤防だそうです。

普通の土石・コンクリートなどでできた堤防とは違い、一見橋の欄干に見えるようなフレームが並び川の景観を損ねず、畳を差し込み堤防として機能させるとのこと。

↑　この端っこに畳が差し込んでありました。

こうして使うのですね。

きれいな川を利用だけするのでなく、川と地域住民の一体感が感じられました。

おみやげに、クラテラスでプレミアムアラ！と大きなトマト。

特産品自販機でたつのバジルを使ったジェノベーゼソースを買いました。

龍野は前々から調べて知っており、今回初めて訪れました。

野見宿禰神社も山の中腹にあり、龍野（立野）の地名の由来になっています。

感嘆したのは揖保川のほんとうに美しい水。

気候と環境を活かして文化と産業を興し、今現在も過去の町でなく澱むことなく、時代にあわせあるいはさきがけ、無理なく発展継続していると感じました。

とても良い町でした。

(*´ω｀)💕

〈おまけ〉

ごはんの前に龍野城址にも行きました。

龍野公園には桜が3000本あるそうで、満開のころにまた行ってみたいです。

こんどはカフェで発酵パフェを食べたいです。

(´艸｀*)

〈補完〉

土井さんのお話のゲノム～とは、

生命誌研究館館長の中村桂子さんとの対談（自然からいただく清らかなもの）に出てくる、

「和食というのは常に揺らいでいる時間の中にある命、『生きている』ことを扱う独特な仕事です。それゆえに生命誌というものの中にヒントがあるように思えるのです。中村先生の生命誌というお考えを知り、ゲノムというものが自分の体の中にあると意識できるようになると、食べものの美味しさを感じる時、外なる自然と内なる自然が結んで、体の細胞の一つ一つが喜んでいることがわかるような気がしてきます。腸内細菌も含めての調和が穏やかな気持ち、食後の心地よさにもつながるのではないでしょうか。」

の部分をふまえています。