本の読み方についての本を
最近、数冊読みました。

一冊目が「本を読めなくなった人のための読書論」

 

 

 


二冊目が「本の読み方 スロー・リーディングの実践」

 

 

 


どちらの本でも共通して
言われているのは「本を読むスピードは
重要じゃない、むしろ速読は
読書の本来の楽しみ方じゃない」ってことですね。

これ、ものすごくよくわかります。

本を読んだ冊数を自慢する人って
ものすごく言い方悪いかもしれないけど
恋愛の数を自慢する人のようで…
でも、大事なのは数ではなく
質なんですよね。
どれだけその恋愛のひとつひとつに丁寧に
向き合ったか。読書も同じで、
一冊一冊をしっかり味わったか、
ちゃんと吸収したかが重要だと思います。

私は、本を読むスピードが人より速くて
それを結構人生の中で褒められてきたんですが
読むのが速いかわりに忘れるのが速いんですよ。

特にこれは現実世界でも、本の中でも同じなんですけど、
ものすごく、人物名を覚えられない。

だから、なおのこと「スピードは重要じゃない」と思っています。

スピードが役に立つのは
ビジネスや自己啓発本のように
情報を摂取する読書の時と、
自分が面白いと思う本を立ち読みしながら探す時。

それ以外は、読書って
楽しく味わうものだと思います。

特に小説は、作者が磨き上げた文章表現を
じっくりと味わうのが楽しいんです。

「本の読み方」という本には
こんな一文があります。

「ページを捲る(めく)手が止まらない!」という忙しない
読書のための作品ではなく、
「ページを捲りたくない、いつまでもこの世界に
浸っていたい」と感じてもらうような作品を書きたい

そして、「本を読めなくなった人のための読書論」には
こうあります。

「この本で考えてみたいと思っている読書は
「情報」を入手することで終わる読書ではなく、
「経験」としての読書です。

「生活」のための読書ではなく、人生のための読書です。

思えば私が読書を好きなのは、
本が人生を支えてくれたからです。

もともと活字は好きだったけれど、

私は狭い自分の視野を、本によって広げて、
嫌なことがある時は物語の中に逃げて、
お酒は飲めないかわりに、本の中の表現に酔いしれて、
どうしようもなく孤独に感じる日も、
苦しい時も、つらい時も、
常に本に助けられてきました。

学生時代の自分のことは
思い出したくもないくらい嫌いですが
本を読んでいる間は、自分と向き合わずにすんだ、
と思っていました。

でも、この本を読んで少し考え方がかわりました。

私は、物語の中に逃げ込んでいたのではなくて、
本を通してずっと自分と対話していたんだと思います。

”読書は「ひとり」であることと、
対話が同時に実現している、とても不思議な
出来事なのです。「読む」は「ひとり」であるところに始まる、
言葉を通じて行う無音の対話なのです”

だから、本から聞こえてくる声を
受け入れるための心の余裕やタイミングが
大事ってことがこの本には書いてありました。

対話は相手あるいは自分どちらかの
心がとじていたら、成立しないんですよね。
読書もそれと同じだから
読めないときがあるのは当たり前、
読めない時は、読まなくてもいい

そんなふうなメッセージが書かれていました。
なんかこの2冊を読んでから
読書がより一層楽しくなったし
一冊一冊の本に対して
「対話するぞ」「味わうぞ」
という気持ちで向き合えるようになりました。

よかったら、読んでみてください。
ではまた。