耐えかねて騒ぎおこしてずらかるが
罰明け戻るまた元の房
刑務所で一番大変なのは人間関係。いや娑婆でも同じか?そりゃそうなんだけど、あの狭い社会でうまくやるのは至難の業で。社会だったら嫌いな人と24時間ずっと一緒にいるってありえないでしょ?それがありえちゃうのが刑務所。ていうか当たり前。
工場に配役されると、同じ工場の受刑者と当然ながら同じ部屋になります。なので、その部屋に嫌いな人ができた場合は工場も一緒、部屋も一緒、ということになりますよね。逃げ場がない。社会だったら会社も一緒、寮が一緒、てことはあるかもしれないけど同室・・ってことはあまりないでしょ?一人の時間つくれるし。
刑務所でも施設によっては一人部屋、すなわち独房に入れてくれるところもあるけど基本は雑居、だと思っていただければ。それでまぁ、あんまりにもひどいと転房っていって部屋メンバーが入れ替わることもあるのだけどあまり期待しない方がいい。喧嘩されるよりは・・・と受刑者の要望をよく聞いてくれる職員もいるけど、人とうまくやれない人はだいたいどこ行ってもだめだし、いちいちそんなことで巻き添え食う人がもうかわいそうすぎる。
そんなこんなで人間関係が嫌になって工場なり、舎房なりで問題や騒ぎをわざとおこしていなくなる、という荒業を使う人もいるのです。そうすると懲罰になって、ほかの工場に転業できるチャンスが生まれる。そのために自分の優遇を犠牲にするわけです。
調査、懲罰になると優遇区分と言って1類から5類まである区分が確実に下がってしまいます。制限区分、というのもあって、こちらが落ちる可能性もあるけど・・・この優遇区分が3類以下の人はいろいろ制限されることが増えてしまい非常につらい。なんといっても月に一回のし好品、大事な大事なお菓子を食べる3類集会に出席する権利がなくなるからです。ほんとにこれはつらい。「甘いもの、お菓子を僕私はふだんから食べないから別にお菓子なんていらないから、別につらくない」とおもう人もいるかもしれませんが甘いです。コーヒーも出ます。飲みたいでしょう?笑それに社会でお菓子ぜんぜん食べないって人でも刑務所に入ったら甘いもの好きになる、ていう人も結構おおい。やっぱり脳みそが欲しがるんでしょうね。糖分を。
でもそれでもどうしてもこの状況が耐えられない!お菓子なんてどうでもいい!という人は自爆をして工場からいなくなります。やりかたとしてはドアを蹴ったり、モノを投げたり、壊したりして「静穏阻害」「器物破損」という不正行為を自分でこしらえるのです。気に入らないやつを一発ぶんなぐって懲罰に行く、というファンキーな方もまれにいますが女子の場合は意外と穏やか。静かに工場からいなくなります。
それでそんなことしていなくなったのにも関わらず、また同じ工場、同じ部屋に戻されることがあるんですね笑。
これはねぇ、もう、刑務所からの試練です。試練なのか、嫌がらせなのか。
その人間をこれからどうするか真剣に考えた結果、環境を変えてもう一度やり直しの機会を与えよう、という考えの職員だった場合は別の工場に、そうでなく置かれた場所で自分の環境を整える粘り強さを身に着けて社会でまたくじけることがないよう成長してほしい、と思った場合は同じ工場に戻されるのですかねぇ。これってひどい!と思ってたけどよく考えたらそんなちょっと嫌なことがあったからって暴れて罰さえ一度受ければ自分の希望どおりなる、こんな考え方を尊重してしまうことになるもんなぁ。だから合沢は後者の方が正しい対応のような気がしますねぇ。その方には気の毒だけど。
「また苦しくなったら刑務所行けばいいか~」って考えにつながっちゃうもんね。
とはいえ懲罰はなかなかつらいもので5~7日が平均、ひどいと60日とか閉居され、本を読んだり、テレビをみたり、手紙も面会も書けない読めない会えません。半日以上なにもせずただドアに向かって正座または安座ですごす。はじめて懲罰になったときはキツかったな~。とにかく一日が長い!のよ。
写真は最近撮った宣材
逃げてもいいときもあると思うけど、なるべく立ち向かっていたい合沢は立ち向かいすぎて体壊したりメンタル弱ったりするから何事もほどほどがいいんだな、と思った今日この頃でした。
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