SEVENTEEN (세븐틴) 9th Mini Album 'Attacca'
— 세븐틴(SEVENTEEN) (@pledis_17) October 8, 2021
Official Photo Op.2#JUN #DINO #THE8 #HOSHI
🎼2021.10.22 1PM (KST)
🎼2021.10.22 0AM (ET)#세븐틴 #SEVENTEEN#Attacca pic.twitter.com/Rxy11TGc5Q
SEVENTEEN (세븐틴) 9th Mini Album 'Attacca'
— 세븐틴(SEVENTEEN) (@pledis_17) October 8, 2021
Official Photo Op.2#PERFORMANCETEAM#JUN #DINO #THE8 #HOSHI
🎼2021.10.22 1PM (KST)
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これは、バラが王子さまにねだった「ガラスの覆い」を表していると考えられます。バラは強がりで見栄っ張りな性格で、私にはトゲがあるからトラが来たって怖くないけれど、冷たい風に吹かれて風邪を引くのは嫌だからついたてやガラスの覆いが必要だと言ったのでした。
また、このOp.2の衣装では、ディノの手袋に穴が開いており、これもトゲのイメージなのではないかと考えられます。
'Attacca'のタイトル曲'Rock with you'のMVの撮影風景の動画では、ディエイトが、今回ディノがイメージチェンジしてすごく強そうに見えると言っていました。唇にピアスを開け、確かに今回はなんだか尖った印象です。これもやはり、トゲのイメージではないでしょうか(だいぶ後の記事になってしまうと思いますが、空に浮かぶ白い雲や風船のイメージを持った人物も登場しますので、このトゲのイメージを覚えておくと、'Attacca'のPerformance teamの曲'PANG!'がトゲのあるバラと風船の攻防戦のお話に聞こえて面白いです)。
'Rock with you' MV 撮影風景
② 'Rock with you' English Lyric Video
この記事の冒頭に引用した「泣いているバラ」の画像は、こちらのビデオからのスクリーンショットです。惑星やバラが登場し、かなり『星の王子さま』っぽい内容のビデオですが、こちらのビデオでは、ディノの頭に蝶がとまっています。
SEVENTEEN ‘Rock with you’ English Lyric Video
(上に引用した'Rock with you' English Lyric Videoよりスクリーンショット)
王子さまとバラは心の底では愛し合っていましたが、王子さまはわがままで強がりなバラの本心がつかめず、二人はすれ違っていきます。王子さまがバラの元を去ろうとすると、バラは、ガラスの覆いはもう要らないと言い、チョウチョウの話をします。
「あたくし、チョウチョウのお友だちになりたかったら、二ひきや三びきのケムシはがまんしなくちゃあね。チョウチョウって、なんだか、たいそう美しそうですわ。チョウチョウでなくて、だれが、あたくしをたずねにきてくれるでしょう。あなたは、遠くに行っておしまいですからね。大きなけもののことだったら、ちっともこわかないわ。あたくしだって、爪はもっているんだから」
花はそういって、四つのトゲをむじゃきに見せたあと、こう付け加えました。
「そう、ぐずぐずなさるなんてじれったいわ。もうよそへいくことにおきめになったんだから、いっておしまいなさい、さっさと!」
―サン=テグジュペリ『星の王子さま』
こうして、バラは自分が泣くところを見られないようにします。リリックビデオの序盤で、バラの写真は涙を流しているように見えます。これは王子さまが去った後のバラの姿ではないでしょうか。ディノの頭に蝶がとまるのは、ディノがバラであると考えればしっくりきます。
また、ディノがどうやら植物らしいという暗示は、カムバック直後のGONG SEVENTEENの『不眠ゼロ』の回でも繰り返されます。今回ディノが襟足を伸ばしたことについて、メンバーはふざけて「あいつは髪に水をやってる」と言い、観葉植物ならぬ「観葉髪の毛」という字幕も表示されました。
GOING SEVENTEEN ‘Insomnia Zero II’
過去の人気コンテンツのパート2。‘Attacca’リリース直後~POWER OF LOVE開催前の時期に配信されました。
ちなみにこの回のタイトルに含まれるゼロという言葉は、11月に開催されたオンラインコンサート‘POWER OF LOVE’のLOVE公演でディノがソロ曲’ZERO(HERO)’を歌うことの予告にもなっていたのかなと思いますが、2015年にSEVENTEENが試写会に出席した、『星の王子さま』をもとに作られた映画『リトル・プリンス 私の王子さま』では、主人公の女の子が17番の受験番号バッジをを胸につけて志望校の面接に挑みます。その際、彼女が書いた論文が、「The transformative power of zero(ゼロの変化の力)」と、その続編「Zero, still my hero(ゼロ 今もなお私のヒーロー)」といったタイトルであることが明かされます。
SEVENTEENは本当に家族のように仲が良いことで知られていますが、生まれも育ちも趣味もそれぞれちがいますし学生時代から多忙ですので、全員で一緒に観たことのある映画というのは案外少ないのではないかと思います。『星の王子さま』はディノの愛読書でもありますし※、この映画のことをよく覚えていたのではないかなと思います 。
※2020年の雑誌のインタビューで、『星の王子さま』を何度も読んでいると言っています。
'POWER OF LOVE'のパフォーマンスの合間の映像では、ディノのもとに天井からロープが下りてくる場面もありました。やはり、INCOMPLETEでPerformance teamが披露した'MOONWALKER'とのつながりが感じられます。'MOONWALKER'には「空からロープが下りてくる 空気を踏んで上ってそれを掴む」という歌詞がありますが、 'Rock with you'のサビの片足を上げて空中でステップを踏むような振り付けは、この歌詞を表現しているのではないかなと思います(INCOMPLETEがこのプロジェクトを読み解く鍵となっている可能性については、考察Part1で述べました)。
SEVENTEEN 'Rock with you' Official MV (Choreography Version)
0:48~の"rock with you"と0:52~の"shine one you"で繰り返されます。
③‘Flower’と‘Anyone’
話をバラに戻しましょう。POWER OF LOVEプロジェクト作品の一つである'Your Choice'の収録曲'Anyone'には、「空の上から落ちた小さな花 砂漠の真ん中 (君は僕への贈り物)」という『星の王子さま』にぴったりな歌詞があります。
この「花」は、砂漠で途方にくれていた飛行士の「ぼく」や、キツネのもとに舞い降りた王子さまとも解釈できますし、別の星から王子さまの星に飛んできたバラの花と解釈することもできます。
ここで、バラがケムシをがまんすると言ったことを思い出していただきたいのですが、'Anyone'で、縦長の箱を抱えているパントマイムのような手の動きと、まるで虫のように指を腕に這わせる振り付けが気になったことはないでしょうか。'Anyone'含む'Your Choice'のカムバック期間当時は、あれが何を表しているのかわからなかったのですが、今思えば、あれはガラスの箱とケムシだったのではないかという気がしてきます。
SEVENTEEN 'Anyone'
0:54あたりからの間奏の振り付けがケムシ。1:04あたりからの振り付けも、縦長の箱を持っているようにも見えます。
衣装はこの形で白と黒がありましたが、どことなく、宇宙飛行士の宇宙服やブルースーツに似ている気もします。このように滑走路が上に向かっているセットは'Rock with you'のテレビ出演時にもありました。'Left & Right'のMVでロケットのように車が打ち上げられたことも思い出され、やはり空に上るイメージは繰り返し強調されているように思えます。
また、'Anyone'の振り付けと言えば、ジョンハンがディノを抱きしめる箇所も印象的でした。私は、これは、IN-COMPLETEで歌われた'Flower'の歌詞を表現したものではないかと考えています。
'Flower'は、愛する人をトゲのある花にたとえた歌です。
僕の息がある場所
君の香りで僕は息をする
(中略)
その棘が僕を突き刺そうと
僕を教えてくれた 僕を見せてくれた
君は僕だけの花だから
君が永遠に僕の胸に咲き続けるのなら
傷ついてもかまわない
僕の肌を伝う傷跡は
君のためにある
鋭い君の棘を 僕に突き刺してくれ
Cause you're my flower
(中略)
君に近づいたら傷つくとわかっていても
それでも両腕は君を抱きしめる
―SEVENTEEN 'Flower'
SEVENTEEN 'Flower' Special Video
『星の王子さま』にも、バラが星をいいにおいで包んでいてくれたという話や、「ぼくのバラ」「ぼくのものになった花なんだからね」という言葉が出て来ます。
'Flower'は、全員の曲ではなく特別ユニットの曲ですが、そのメンバーにジョンハンもディノもいます。普段はホシが振り付けのリーダーですが、この曲はディノが振り付けを行い、ディノのイメージが強い曲でもあります。
まだ解説していないメンバーもいますが、ディノを除く5人の役は、①サン=テグジュペリ(≒「ぼく」)、②王子さま、③王子さまの分身、④キツネ/ヘビ、⑤『星の王子さま』を開くと最初に出て来る「献辞」に登場するサン=テグジュペリの親友ですので、ここにバラが加われば『星の王子さま』の主要な役者は見事に揃います。
いつか別の記事で解説しますがジョンハンは王子さまの分身です。上に引用した‘Flower’の歌詞を念頭に置いてみると、'Anyone'の振り付けは、「王子さまがトゲのあるバラを抱きしめている」さまを表したもの、とは考えられないでしょうか。
そして、'Anyone'のこの振り付けがある部分の歌詞は、「呼吸を分かち合う慣れた流れの中でさえ 永遠の作品の中で僕たちは一緒にいる」です。「呼吸」は‘Flower’の冒頭の歌詞とも重なりますし、‘Anyone’に「砂漠に舞い降りた花 僕への贈り物」などの『星の王子さま』にぴったりな歌詞があることを考慮すると、これはかなり意図的であるように思えます。