まずは、透析を開始してからのインタクトPTHのグラフ

最初のころは、PTHが上がれば活性型ビタミンD製剤のアルファロール錠で調整できてた。

その後、アルファロールを服用しても下がらなくなり、カルシウム受容体作動薬であるオルケディアが処方され、243pg/mLまで下がったが、その後は400pg/mL前後を行ったり来たりしている。

 

ちなみに、レグパラ(シナカルセト塩酸塩)は、潰瘍性大腸炎による消化管出血、腸閉塞の既往があるので、使っていない。

 

次回の検査結果を見て、PTHが下がらなければ静注薬であるパーサビブを使うようである。

 

ここで、PTHについておさらい。

PTHは、副甲状腺ホルモン(parathyroid horumone)のことで、このホルモンにより骨からカルシウムが溶け出し、結果、骨がもろくなり、関節痛や骨折しやすくなる。

このPTHは、血液中のリンの濃度が高い場合とカルシウム濃度が低い場合に反応するので、透析患者の場合、リンを下げるように口を酸っぱくなるくらい言われる。

PTHが高い状態を放置すると、血液中のリンやカルシウム濃度が高くなり、これがリン酸カルシウムとして血管や関節の周囲、心臓の弁などに沈着してしまう。これを異所性石灰化という。