作例はア・バオア・クー要塞基地に駐屯した、Eフィールド防空大隊所属のエースパイロット、マサヤ・ナカガワ中尉の専用機として製作しました。
マルチブレードアンテナが前頭部ではなく頭頂部にあるのが特徴です。
使用キット：MG 1/100 MS-06R-1A 高機動型ザクII 黒い三連星仕様 Ver.2.0
茶と黄のパーソナルカラーから地上用の迷彩色に誤認されていた、という逸話で有名らしいですが、それ以外に主だったエピソードもないため、残念ながらこれといった特徴付けができませんでした。
MSVや戦略戦術大図鑑などの資料に、特殊な逸話のある機体やパイロットであれば、なんとなく作風的なものも見えてくるのですが、情報があまりに無さ過ぎる際は厄介です。
そういった場合は、コンシューマーゲーム「ギレンの野望」シリーズやアーケードゲーム「カードビルダー」のデータやスキルを調べながら構想を練ることもあります。
茶と黄、というカラーリングも実際に塗装するとなると意外と難しく、色味の調整にはかなり手間をかけた覚えがあります。
例のごとく、カラーリングの参考にしたのは私の聖典ともいえるMSVハンドブックの設定画です。
ブラウンはガイアカラーの「203 レッドブラウン(ロートブラウン)」を、イエローは同じくガイアカラーの「201 ダークイエロー1(ドゥンケルゲルプ1)」を中心に調色、胸部や手の甲なども他の部分とのバランスを考え、Mr.カラー「C42 マホガニー」と「C2 ブラック」を調色して塗装しました。
各部のマーキングは、色のバランスを考え、手元にあるデカールの中からできる限り「黄色いもの」を選んで貼っています。
余談ですが、東洋人であるマサヤ・ナカガワ中尉の個性を見せるために、日本語のマーキングもいいかもしれないと真・武者頑駄無（むしゃがんだむ）用と武者ガンダムMk-II用のデカールも用意してみたところ、「頑駄無」「七拾八」「武」のようなちょっと使いにくいデザインだったため今回は廃案としました。
「注意」「警告」「踏ムナ」の注意書きはまたどこかで使ってみたいのですが、見る側も東洋人でなければ意味をなさないのが悲しいところです。
シールドのチェッカーパターンと、「FW」のマーキングはWAVEの「Xデカール3(イエロー)」を使用しました。
「フォッケウルフ」？ 「フォルクスワーゲン」？ 最有力候補は「フォワード」ではないかと思いますが、このFWが何を意味しているのかはマサヤ・ナカガワ機最大の謎ですね。
WAVEの「Xデカール」シリーズはお気に入りでずっと愛用していたのですが、模型店でも最近とんと目にする機会がなくなってしまいました。
特にホワイトは部隊番号用に英数字を多用していたため、このまま手に入らなくなってしまうのは非常に残念です。
シン・マツナガ専用ザクなどに見られる右肩のスリット構造を、上から覆う形で遮蔽した形跡があるのも特徴です。
ベースキットはスリットのない黒い三連星ザクですが、プラバンを貼ってそれらしく見せています。
頭頂部のブレードアンテナは、ランナーの切れ端を土台として接着した上に真鍮線で接続。
どことなく間抜けなたたずまいですが、長く見ているとこれはこれで意外と格好よく思えてきたりなんかもします。
アンテナが側頭部にあるエリック・マンスフィールド機 にもいえることですが、こうしたアンテナ位置の微妙な差異がどれほどの効果を発揮していたのかが気になるところです。
「侍のまげ」や「鬼の角」など、東洋人の持つ「強さ」のイメージなのかも、なんて深読みをして楽しめるのもMSVの面白いところです。
以上、「MS-06R-1A ザクII マサヤ・ナカガワ中尉専用機」でした。
最後までご覧いただき、ありがとうございました！