今日は「お伽草子」の宣伝をします♪
いつもみたいな漫画の記事じゃないけど
読んでいただけたらうれしいです。

六本木のミッドタウンにある
サントリー美術館で11月4日までやっています。
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ウサモコは11月2日に行くのですが
行った後だと会期がもう終わりなので
BS日テレ「ぶらぶら美術館」でも
取り上げられたことだし、
今日宣伝しちゃいます。(笑)

ウサモコの好きな「おとぎの国」ではなく
日本の「おとぎ」です。
「ぬらりひょんの孫」も「犬夜叉」も「XXXHOLiC」も
「夏目友人帳」も「神様はじめました」も
大昔のこれらがあってのものなのです。。。
その一部を紹介します。

<はちかづき姫>
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長谷観音に祈願し、望み通りに生まれた女の子は
美しい娘に成長しました。
母親が亡くなる直前、長谷観音のお告げに従い
娘の頭に大きな鉢をかぶせました。
その鉢がどうしてもとれなくなってしまいました。

母親の死後この娘(鉢かづき姫)は、
継母にいじめられ家を追い出されました。
世をはかなんで入水しましたが、
鉢のおかげで溺れることなく浮き上がり、
「山蔭三位中将」とい公家に助けられて、
風呂焚きとして働くことになりました。

中将の四男の「宰相殿御曹司」に求婚されますが、
宰相の母はみすぼらしい下女との結婚に反対し、
宰相の兄たちの嫁との「嫁くらべ」を行って
断念させようとしました。

ところが嫁くらべが翌日に迫った夜、
鉢かづき姫の頭の鉢がはずれ、
姫の美しい顔があらわになりました。
しかも歌を詠むのも優れ、
学識も豊かで非の打ち所がありません。

嫁くらべのあと、鉢かづき姫は宰相と結婚して
3人の子どもに恵まれ、長谷観音に感謝しながら
幸せな生活を送りました・・・というシンデレラ物語。

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<浦島太郎>
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浦島太郎は、本当は浦嶋子(うら・しまこ)という名前です。
もちろん男性です。

ある日、釣りに出かけます。
三日三晩たつと、「五色の亀」を釣り上げました。
うたたねをしていると亀は美女に変身します。
「おうちへ返して。舟で送って」と頼みます。

海の彼方にある蓬莱の地(理想郷)の
蓬莱宮に行きます。
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そして歓待を受けます。20121010101217.jpg

3年がたち、故郷が恋しくなった浦嶋子は、
帰郷します。
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そして玉手箱をもらいます。
3年だと思いましたが、じつは300年もたっていました。
もう知ってる人もいません。
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つい玉手箱を開けてしまいます。
白雲とともに老人の姿に。。。

天皇がその話を聞き、
浦嶋子を祀った神社をつくりました。20121010101427.jpg


 それが今の浦嶋神社です。
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<美女と鬼 長谷雄草子> 

紀長谷雄(きのはせお)という男が、見ず知らずの男に
京都・平安京の朱雀門に誘われ、双六で勝負をしました。
長谷雄は全財産を賭け、男は絶世の美女を約束しました。

男は劣勢になると本性を現し、鬼の姿になりました。
鬼は朱雀門の鬼でした。
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鬼は双六に負け、長谷雄の屋敷に絶世の美女を
つれてきました。
ただし「100日間、この美女に触ってはいけない」と言いました。
長谷雄は80日間は我慢できましたが
ついに美女に触ってしまいました。
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すると、美女は水になって消えてしまいました。
この美女は死人の良いところだけをあつめたもので
100日経つと人間になれるはずだったのでした。

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<福富草子>

京の都に貧しい老人・高向秀武(たかむこのひでたけ)
が住んでいました。
道祖神へお参りすると、鉄の鈴を賜る夢をみました。
陰陽師の夢占いで「体から意外な音が出て
幸せを得るお告げである」と言われました。

妙な踊りをしながらオナラがたくさん出るという
珍芸ができるようになり、これが大評判になりました。
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とおりがかった中将の目にとまり、屋敷に呼び寄せられて
披露します。
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中将も屋敷の人たちも大満足。ほうびをたくさんもらいます。
その後、いろんな人かお呼びがかかり、長者にまでなりました。

隣に住む老人・福富がその真似をしますが
失敗し、ひどい罰を受けます。
成功した高向秀武よりも失敗した福富のほうに
重点が置かれているので「福富草子」といいます。

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<酒呑童子>

都の少年少女の失踪事件が頻発します。
陰陽師は酒呑童子(鬼)の仕業だと言います。
そこで天皇の勅命により、
源頼光とその家来・四天王が
神様から毒酒と兜を授かり、山伏に扮して
鬼退治に行くことに。
その四天王のうちの1人が坂田金時(金太郎)です。

銀時さんのモデルですね。
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いえ、金時さん。
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そして、鬼の館に到着。
道に迷ったので泊めてと頼みます。
鬼は都の話が聞きたくてOKします。
酒宴が始まり、鬼たちは舞いを披露し、
酒を振舞います。
頼光たちも毒酒を飲ませました。
酔った鬼たちは眠ってしまいました。

寝所にさがった酒呑童子は
6mあまりの鬼の姿に戻っていました。
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四天王は手足を拘束し、頼光は首をはねます。
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すると、首は宙を飛び襲い掛かってきました。
しかし、神様から授かった兜のおかげで無事でした。
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頼光と四天王はすべての鬼を退治して、
姫たちを救い出しました。
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<しぐれ草子>
1513年に女性の絵師が描いたことがわかっています。
男の人の目が、二重まぶたで切れ長に描かれています。
とても珍しい描き方です。
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<ねずみ草子>

ねずみさんが主人公です。
人間の女性との悲しいラブストーリーです。

ねずみの権頭(ごんのかみ)は、子孫までずっと
小さいねずみのままでいることが嫌で
人間の女性と結婚したいと思い、
清水寺へ祈りに行きます。

お馬さんもよく見るとねずみ顔です。
ねずみが化けているのです。
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「おつげがあった」といって
人間の姫を妻に迎えることができました。

権頭は「お礼参りをするから」と言って、
妻には外に出ないように言って出かけます。
しかし夫の言動を不審に思う妻は
屋敷の外を覗いてしまいました。
ねずみ・ねずみ・ねずみ・・・ねずみだらけ!
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 妻とおつきの者は逃げ出しました。
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 悲しむ権頭。
妻が置いていった嫁入り道具を眺めて過ごしますが、
やがて高野山で出家し、余生を過ごします。
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<付喪神絵巻>
付喪神は「ぬらりひょんの孫」にも出てきますね。

長年人間に仕えてきたのに
捨てられてしまった古道具たちは
人間に復讐しようとします。
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 その中で「数珠の一蓮」だけは復讐に反対しますが
叩き出されてしまい、古堂に逃げ込みます。

「古文先生」という巻物に教わり、
妖怪となることができました。
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 碁を打っている妖怪もいます。
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しかし天皇が祈祷し、妖怪は護法童子に倒されます。
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 妖怪たちは、かつて仲間はずれにした
数珠の一蓮に助けを求めます。
一蓮はとっくに出家済みで、お坊さんの姿をしています。
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妖怪たちも出家しました。

これは「非情成仏絵巻」 と言い、
心を持たない道具でも成仏できるという
宗教色の濃い絵巻です。

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<百鬼夜行絵巻>

昔から日本人は、暗闇や霊気という
漠然としたものに恐れを抱いていました。
それを具体化したのが室町時代の絵巻です。

ただし、残念ながら言葉がまったく書かれてないので
ストーリーはわからないのだそうです。

たとえば、この赤鬼の絵では・・・
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 ・・・赤鬼が箱を開けようとしているのか、
それとも襲い掛かっているのか、それさえも不明なのだそう。

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ウサモコは、付喪神とか百鬼夜行といえば・・・
 すぐに思い浮かぶのはこっちだけどね。(笑)

雪女・氷麗の百鬼夜行
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三代目・リクオくんたち百鬼夜行
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二代目・鯉伴さんたち百鬼夜行
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