-レイラ Last episode-


レイラが亡くなり15年。


琢也は結婚が決まってからたった一人で滋賀でレイラの墓前の前にいた。


どれだけ忙しくても必ず毎年顔を見せにくる。


2016年秋、墓前の前にレイラのお母さんがいた。


『久しぶりです。』


『琢也君、久しぶり。おめでとうね』


『ありがとうございます。でも、僕は忘れませんしずっとここにくるつもりです』


『ちょっといいかしら?』


レイラのお母さんが初めて琢也をレイラの家に招待した。


レイラの部屋は15年変えなかったと言います。


『ここが、あの子の部屋よ。もう最後だから見てほしいの』


『最後?』


『えぇ、引っ越すのよ。』


口数が少なかったが、琢也は察した気がした。



『わざわざ、ありがとうございます。


こんな俺を。』


『いいのよ、ゆっくりしていってね』



琢也はレイラの息吹や匂いを感じた。


自分が一番愛した女の部屋に初めて入ったとき、

初めて出会ったことを思い出していた。


何も部屋を変えなかったせいか、教科書やカバン、初めて出会った時の服や色んな想い出が気持ちが自然に伝わる。


『これは?』


一冊の本を見つけた。


『私なんかに素敵な人ができました。

本当に幸せです。』


素敵な言葉が次々に綴られている。


琢也と出会った話、ライブの話、メンバーの話。


キラキラと素直なレイラの言葉に琢也は本当に幸せだった時間を痛感する。


その日記の最後のページ。


『琢也君、今までありがとう。


生まれ変わったらまた会いたいな


あのとき言えなかったこと、最後に書くね。


子供が死んじゃった日にさ、ちょっとだけ


安心したんだ。


琢也君の重荷にならなくてよかったって。


あのとき、琢也君はデビューしかかってて


大事な時だったから話せなかったんだ。


私なんかに自分の夢を壊されたら嫌でしょ?


でもね、今だけ


許してね。


もうちょっと生きたかったな


また会えるなんて、ないんだもん。


二度とないんだもん!!





泣きすぎてぐちゃぐちゃになっちゃった。


いつもそばにいれるだけで幸せだったけど


琢也君に父親になってほしかったのが一番の夢だったんだ、私にとってね。


でも、そんな夢より琢也君を応援する気持ちが勝っちゃった。


だから強がったりしてさ。


でも、琢也君を信じてる。


私より強くて、真っ直ぐで、

夢を追いかけるあなたが大好きです。


私を受け入れてくれて、好きになってくれて


本当にありがとう。


ひとつだけ、ワガママ聞いてほしいな。


私の為に一曲でいいから、


もし夢が叶った時に作って欲しいな。


タイトルは、


琢也君に任せる。


だけど、この言葉だけ入れてほしいな。


『信じていたいものは 信じていたい』



私のワガママ。


生き方だから。


最後のワガママ聞いてくれたら嬉しいな。


前を見て、進んでください。


UVERworldの

琢也君のファンより。


レイラ』。



その日記を読んでたくさんの想いが伝わった。


涙が止まらない琢也に、


『琢也君、君はもう進んでいいよ。

 レイラへの気持ちは確かに受け取ったから。』



背中をポンと叩かれる。


レイラの父親だった。


『もう、君と会うのも最期だ。

 琢也君も前に進もう。』


救いとかそんな言葉では片付けられないくらい


とてつもなく重い一言だった。


墓参りも最後だと約束をした。



琢也はただ、頷くことしかできなかった。


『琢也君、君のうた届いてるから。』


その言葉に深く頭を下げ、もう一度レイラの墓の前に琢也は立つ。


『この日記、俺が処分するよ。

 レイラ、お前の夢は絶対叶えてやるからな。』


約束を誓い、東京に戻り


初めて、レイラの為に曲を書く。


今までは琢也の気持ち、メンバーの気持ちばっかりでレイラへ届ける歌はなかった。


でも、何よりこんな出会い、色んなcrewの為に


『出会いを大切にしてほしい』との願いを一番に込めて琢也は書いた。


優しい嘘、すれ違い、誤解に衝突。


それでも全てに『愛』がある。


その想いを、レイラの言葉を添えて


自分がレイラの想いにに応えるために


15年懸けた重さに終止符を打つ。


進むために。


みんなが、進むために。


終わりじゃなく


此処からが始まり。


それが、


『終焉』。


詞を完成させた時に日記は焼いた。


琢也は心に刻み込んだ。


その話をハックルベリーとエッグマンの店長にも話をした。


『強くなったな。』


その一言で、琢也は立ち上がった。


終焉のラストにはメッセージがあったそうです。


『本当に、次の人生また会おう。』


琢也への想いが届きますようにと。



レイラの両親は『TYCOON』の収録されていた最後の曲を聞いて手紙を出したそうです。


『UVERworldの皆さんへ。娘を愛してくれてありがとう。


さよなら。』


琢也とレイラの両親は確かに繋がっている。


もう二度と会わなくても。


進んでる先は同じ。


たとえ、ゴールの場所は違うけど


レイラを愛した事実と想いは本物だから。



温かい気持ちで、次の未来の為の、


心からのメッセージです。