半年経ったのに、駿がこの世にいない事が、信じられない気持ちが増すばかり。
駿の仏壇を見ては不思議な気持ちになる。
本当にいないの?
今も東京で、歌舞伎町で楽しくやってんじゃないの?
でもたまに現実味を帯びて悲しくて、苦しくてどうしようもなく泣きたくなる日がある。
4っつ離れた弟。
姉の私よりも経験豊富で、シッカリしていて、口が達者。
頭の回転早くて、考え方や行動力は尊敬してた。
一緒に買い物行くと私も駿も長くて。
ドンキに行くと3時間とかいたな。
「ねーちゃん、これよくね?」
とか。
「カラオケいこ!」
とか。
ゲーセン行ってUFOキャッチャーとかして。
ご飯食べに行ったり。
弟だけど友達のような。
本当に仲のいい姉弟だった。
駿が可愛くて、尊敬してて、自慢だった。
有名人だったから「荒金くんのお姉ちゃんですか?」
って話しかけられたり。
「そうだよ。」
って言うと、凄い!!とか言われたり。
「荒金くんの事知らない人なんていない。」
とか言われたり。
先輩からは可愛がられ
後輩から尊敬され
同年代からは一目置かれた存在だった弟。
カリスマ。
本当にこの言葉がピッタリと当てはまる弟だった。
そんな駿の姉として、これから恥じることのない人生を歩もうと心に決めた。
駿の短くて太い人生。
私の残りの人生がどれだけあるか分からないけど。
残りの人生は全て駿のために、駿の意思を受け継いで私は生きていく。
駿の分まで私が生きていく。
駿から笑われることのないように。
今の会社を心機一転して、新しい会社は駿のために絶対に大きくする。
駿はいないんだけど。
もぉ相談も何もできないけど。
駿の事を想いながら会社を大きくする。
そして子ども達へと代々繋がれて行くように・・
駿、見ててね。
姉ちゃん頑張るよ。