午後1時
人気のカフェはまだ混みあっていて、テーブルは満席です。
わたしは友達との約束の時間に
一時間も早く
待ち合わせ場所のこのカフェに着いてしまいました。
ここへ来る前に
お買い物を済ませてこようとおもったお店が
なんと今日に限って臨時休業になっていたのを知らずに
出かけてきてしまったからです。
このあたりは
つい先日もウインドウショッピングをしたばかりで
ほかに用事もないし。。。
空は今にも雨が降りだしそうな雲がたちこめていたので
お茶でも飲みながら友達を待つことにしました。
わたしはカフェの大きな窓ガラス越しに
空席があるかどうか
表通りから中を覗きこみ見渡しました。
すると、年配の女性二人がちょうど席をたつところが見え、
レジのあるオーダーカウンター付近には
待っている人影もないようだったので、
いまだ!
と、中に入りました。
店内で二人の年配女性とすれ違いながら
わたしは一目散に空いたテーブルを確保しました。
あらためてまわりを見まわしてみると
ほかに空いた席はありませんでした。
心の中で、
きょうはツイてる^^なんかイイことあるかも~
とニンマリホクホクした 単純な わたし(笑)
温かいミルクティーを持って再びテーブルに着くと、
窓の外は完全に雨になっていました。
雨の中を歩くのは嫌だけど
こうしてお茶を飲みながら、雨に煙る街を眺めるのって
優雅で素敵で贅沢。
そんな雰囲気に うっとり していたら、
気づくとすぐ近くに
かなり目立つ感じの貴公子が一人、
彼は手にコーヒーカップを持ったまま
途方に暮れたようすで
店内を見まわしています。
空いたテーブルを探しているのがすぐわかりました。
わたしはまた心の中で、
オーダーしちゃう前に、まず席を確保しなきゃね~
と、上から目線でつぶやくと
その瞬間、彼と目が合ってしまいました。
彼は一直線にわたしのほうへ近づいて来て 一言、
すみませんが
ご一緒させていただいてもよろしいですか?
ハチミツのような甘~い微笑みと声で
こんな貴公子に
そんなことを言われたら、
オバサンは舞い上がらざるをえません。
わたしは再びこころの中で、
イヤ~ンなんでぇ~恥ずかしぃウレシィ!
こんな平凡なオバサンでもイイのかしら~ン
とエッチっぽく悶えましたが。。。
どーやら、
物理的に相席できそうなのがこのテーブルだけ
だったようです^^;
ほかのテーブルはみんなお連れさんがいて
受け入れる余地が無かっただけなのです。
わたしはドキドキなんてしてないフリをしながら、
どーぞ
とドキドキしながら応えました。
席に着くと彼は気さくに話しかけてきたので、
せっかくなので
わたしの友達が到着するまでの1時間弱の間、
楽しくおしゃべりして過ごしました。
内容はというと
べつにあたりさわりのない普通の世間話し
でした。
午後2時過ぎ
わたしの友達が到着すると、彼は
それでは僕はそろそろ行きます
突然おじゃましてしまい申しわけありませんでした
ありがとうございました
と、甘~い余韻だけを残し爽やかにお店を出ていきました。
入れかわりに座った友達が目をまん丸くして、
どういう知り合い!?
と少し興奮気味に聞くので、
知り合いではなく、たまたま相席した知らない人
と説明すると、
あの人 有名な俳優よぉ~! 間違いないよ!
と鼻の穴から蒸気でも噴き出しそうな勢いです。
どうりで
雰囲気といい、美形ぐあいといい、物腰といい、
普通じゃないとはおもったけれど、
あれがオーラというものなのでしょうか。
わたしが、何という名前の俳優なのか尋ねると
友達は急に眉間にシワを寄せて 一言、
それが、、名前が出てこないのよねぇ。。。
おぃおぃ、、有名だって言ったのは誰よ??
不覚にも、わたしはその俳優のことを知りませんでした。
友達は、彼が
どんなドラマや映画に出演していたのかも
思い出してくれず。。。
これじゃあ驚きたくても驚けないし、、、
自慢したくても誰にも自慢できないし、、、
すご~く中途半端な情報提供でイライラするなぁもぉ、、、
ぃや~ん、、気になるぅ。。。