うぅ…
私、もうずいぶん前から…
ピアノが弾きたい。
4歳くらいから小4まで習っていたピアノ。
楽譜とはなんぞや?の幼子が、耳を頼りに保育園で聞いた「ゆりかご」を家のピアノで両手で弾いたもんだから、親は「天才か?!」と勘違いした。
個人のピアノ教室に通うようになり、弾きたくない曲の楽譜と睨めっこさせられるようになって、少しずつ楽しいと思わなくなった。
小学生になって友達と一緒に始めたスポーツを、ピアノの先生は目の敵にした。
突き指したらピアノは弾けない。
スポーツをしていてはピアノに集中できない。
とにかくスポーツをやめるように言われた。
子ども心にそれは鬱陶しかった。
選んだのはスポーツだった。
基礎程度の知識しかない今の私は、結構耳に頼って辿々しく演奏するくらいの力しかない。もとい、演奏とも呼べるものでもない。
楽しく弾ければそれでよかった。
別に天才でもなければピアニストになろうとも思ってなかった。
ただただ、楽しくピアノを弾きたかった。
大人は子供の邪魔をする。
あの頃はそんな確信を得ずとも、今になってそう思う。
不完全燃焼のまま嗜好は変わらないまま、今に至っている。
流れるような指の動き…
音色を聴くと全身の毛穴が開くような感動と幸福が満ちて、涙まで流れる。
あぁ、ピアノが弾きたい。
自由に弾けるようになりたい。