今月、静岡出身の知人が東京に引っ越して来た。
知人の彼女は都会に出てくるのがずっと夢だったそう。
自由が丘のシェアハウスに住み、オシャレなカフェで働いて、料理の先生の資格を取る学校に通うらしい。
あまりにキラキラしていて眩しい東京Life

そんな彼女が「2年も東京にいて何にも知らないんだね」と私に言う。
確かに私は川崎に住んで2年が経つにも関わらず、ほとんど都心に出掛けた事がない。
ひとりでだと電車1本で行ける渋谷と原宿に数回行ったくらいかな?
銀座も新宿も赤坂も恵比寿も…都心と言われるような所には、ほとんど行った事がない。
日々のお買い物は市内のショッピングセンターで事が足りるのだ。
知人には、
「絶対に損してる。今のうちに都心で遊び尽くしなよ!!」
と言われるけど…。
東京へ出掛ける事がとても億劫。
田園都市線はいつも混んでいるし、乗り換えは複雑怪奇。
車で出掛けようにも、首都高も246もいつも大渋滞。
しかも、辿り着いても都心はどこも人混み&行列。
あと、なんだか東京は怖い。
地方出身のコンプレックスなのかもしれないけれど、馴染める気が全然しないのだ。
どこにも自分がハマらない、そんな不安感と居心地の悪さ。
この気持ちを誰かにわかってもらいたくて、これまた山形から上京してきた知人に話してみた。
…ら、
笑われた。
「都会が怖いなんて思った事一度もない。むしろ私は田舎なんて大嫌い。上野駅に着いた時から私は山形訛りとはさよならした」
と。
今だに関西弁が抜けない私とは大違い!!
最近テレビによく出てるぺこ&りゅうちぇるのぺこちゃんの喋る関西弁が私の地元の言葉。
だからぺこちゃんが喋るといつもプチホームシックになる面倒くささw
他の地方出身者に
「いつかは地元に帰りたくないですか?」
って訊ねてみても、
「えー!!東京楽しいじゃん!!地元に戻るなんて考えられない!!」
と言う。
何故私だけホームシックが抜けず、東京に馴染めないのか??
ずっと不思議だったので少し考えてみたら、他の地方出身者と私の決定的な違いがわかった。
私、自分で望んで上京して来たわけじゃない。
他の人たちは進学や就職…いろいろ事情はあれど、自分で進路を決めて東京にやって来た人たちだった。
一方、私はこういう事はあんまり言いたくないけど、自分の意思とは無関係に夫の転勤で首都圏に連れてこられてしまった。
だから生活の基盤も東京ドリームも持ち合わせてはいない。
しかも、転勤族…の妻。
この妻という立場は意外と厄介で、転勤した本人ならば、「東京の支社で一花咲かせよう」「頑張って認めてもらおう」「出世が掛かっている」と燃えるものなのかもしれない。
でも、妻の立場だと突然今までの生活とサヨナラして、知り合いが誰もいない右も左もわからない土地に来たわけで途方に暮れるばかりだ。
好きで夫と結婚したわけだから、旅ガラスの夫の転勤に着いて行く事は仕方がないと思ってはいる。
でも戸惑う事はたくさんある。
マイホームの夢、子供を持つタイミング、自分のキャリア…
考えれば考えるだけどんどん不安になる。
信じられないくらい自分を犠牲にして私は今ここにいる。
こんな私のダークネスな気持ちが東京と言う町に拒絶反応を起こしてるんじゃないか?
そんな事を考えているうちに朝のラッシュを抜けて、新宿駅に辿り着いた。
新しい仕事の研修を受けるために。
東京ドリームどっぷりの知人は、新宿のビル群のオフィスでヒールの靴を鳴らして仕事をする事が憧れだとウットリと話していた。
私は、ただただ早く帰りたかった。