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京極夏彦著(2010年 講談社)





無礼な男が、死んだ女のことを尋ねる
その言葉に、晒け出される業、剥き出しの真実……
この世に不思議なことがただ一つあるとすれば、それは
「人の心ほど深く昏いものはない」
京極夏彦が紡ぐ究極のミステリー





敬語をうまく使いこなすことができない主人公と
死んだヒロインの関係者との一対一の対話で物語が進行します。

主人公と対話する相手が章ごとに変わり、
関係者の証言により、少しずつ真実が明らかになってゆきます
(…というより、ヒロインの人間関係ですね)


その過程で、いかに対話者達が自分本位で物事を考えていないのか、
人間の身勝手さについて主人公が指摘していくさまを楽しむ小説です。
人間誰でも外れくじは引きたくないものです


ただ、最後まで読んでみると、
主人公もヒロインも、単にそのような人種の人間であっただけで
周りの人間が常識や保身に振りまわされて、
勝手に自爆した…そんな感じです。

要するに、「あっけなさ」しか、読後感は残りませんでした





「そんな我慢できねえほど不幸なら、死ねばいいじゃんて思うって」
「人間って、みんなダメで、屑で、それでも生きてるもんすよ」







My評価:★★