【気になるネット業界】超ガラパゴス研究会・発足[日経産業/20100513] | 室伏善夫のスマートフォンする社長ブログ

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$五つ星ホテルに起業した社長ブログ-超ガラパゴス研究会「夏野氏」「芦辺氏」「渡辺氏」
【超ガラパゴス研究会「夏野氏」「芦辺氏」「渡辺氏」】

国内市場では、大手でも世界市場では、存在感が乏しい日本の
IT(情報技術)産業は、生物が独自の進化を遂げた
「ガラパゴス諸島」にたとえられます。

世界に通用する競争力を身につける方策を考えようと
業界関係者の方々が、手弁当で集まって立ち上げたのが
「超ガラパゴス研究会(正式:IT国際競争力研究会)」
です。

研究会の設立は、2009年4月です。

特定非営利活動法人(NPO法人)ブロードバンド・
アソシエーションの事務局長を務める飯野嘉郎氏が
NTTドコモで「iモード」を普及させた慶応大特別招聘教授の
夏野剛氏に「何か研究会をやりませんか」と、声をかけたのが
きっかけでした。

日本の携帯電話を「ガラパゴス」と揶揄(やゆ)する風潮に
かねて疑問を抱いていた夏野氏は、同じテーマで本を執筆中だった
日立コンサルティング社長の芦辺洋司氏と、意気投合します。

芦辺氏の長年の仕事仲間で、ベンチャー企業プロレクサス社長の
渡辺聡氏を加えた3人が中心となって、研究会の運営を始めました。

現在のメンバーは、業界関係者やアナリスト、大学や官庁の関係者
など、26名です。

月1回開催する会合は、マスコミなどの外部に公開します。

副委員長を務める芦辺氏は、「憶測や憶測では語らず、
データやファクトに基づいて、話を進めることを基本に
しています。」と語っています。

委員長を務める夏野氏の司会進行で進められる議論は、
メンバーに論客が多いこともあり、「毎回、白熱する」
と言います。

幹事を務める渡辺氏は、「どういう人が集まれば、
議論に火がつくかを考えて、人選したので、ワイガヤに
なるのは、当然。」と笑っています。

第一弾として、昨年9月に発表した通信業界向けの提言では、
世界市場で成功するためには、マーケティング力やコスト競争力に
磨きをかける必要があると指摘しています。

そのためには、外部の人材登用を積極的に進めるなど、
経営陣の多様化を図るべきだと訴えています。

夏野氏は、「ガラパゴス論には、否定的なものが多いですが、
ニンテンドーも、プレイステーションも、アニメも、
振り返れば、みんなガラパゴスです。」

「『良いガラパゴス』を否定せず、むしろ、世界に普及させたことが
成功につながった」と話します。

研究会は、5月18日に東京都内で、シンポジウムを開催しました。

1年間の議論の集大成となる提言を発表しました。

周囲には、「言いっ放しで終わるのでは」という声もありますが、
「我々の提言が、メーカーなど、当事者が動くきっかけになって
くれれば」と、3人は、口をそれえています。

あらかじめ、結論の大枠が決まっている官庁主催の研究会と違い、
純粋な問題意識に立脚した民間の専門家による研究会は、
ユニークな存在といえそうです。