水の北
山の南
春の月
この川柳は、後の新撰組副長土方歳三が若き日に詠んだ豊玉発句集の一首。俗説では、後の新撰組総長となる山南敬助を慕い詠んだと云われる。対してこの句は情景を詠んだとする説が一般的だろうか。山南敬助は、切腹し果てた。近藤土方と意見対立し不仲となり切腹に追い込まれたとか伊東甲子太郎の尊王思想に共鳴したとか、伊東に参謀の地位をとられ自暴自棄になっていたとか諸説あるが確かな資料がないので想像の域を出ない。
土方の句は情景を詠むものが圧倒的に多い、自身を詠んだものもある。他者を詠んだと思われるものもある。しかし個人を特定する句はない。この句が山南を詠んだ句と考えるとこの一首のみなので土方は山南に特別な感情を抱いていたことになり不仲説を崩す突破口となる。
俗説でこの句を説明してみる。水の北は、土方の育った多摩川をさしその北にある山南の故郷仙台のこと。山の南は山南敬助。春の月は、山南の人柄だろうか。筋は通っている。
では、情景説ではどうなるだろうか。水の北とは、多摩川の北。山の南とは何かよくわからないがどこかの山の南から春の月を見たと解釈できる。つまり北に山または丘が見え南に川や海などの水がある場所で月を見たのだろうか。
山について、地元にお住まいの多摩の田舎者師匠に助言を求めたところ、高尾山が一番に思いつくとの返答がきた。高尾山は、東京の人なら誰でも登ったことがあるような身近な山。地図で確認すると、土方の生家から西に位置していた。高尾山の南には津久井湖があり情景も一致。そして、驚きの発見。
津久井湖の南にある山がある。その名も南山…山の南とは方角をさすと考えていたが山の名称である可能性が出てきた。南山の南には宮ヶ瀬湖があり情景も一致する。南山と高尾山どちらが本命なのかまだ結論を出せない。
南山が本命だとすると南山と山の南を掛けた言葉遊びだろうか。
津久井湖と宮ヶ瀬湖について調べてみた。この二つはダム湖であり江戸時代には存在しない。水の正体は振り出しに戻った。
水と北について調べてみる。この水自体に北という意味が入っていた。昔の神獣の話し、青龍とか白虎といった神獣にはそれぞれ守護する方角があり、玄武は北を守る。玄武は水生生物の亀なので玄武=水=北ということらしい。
高尾山について調べてみた。高尾山は、水が豊富にあるので水袋に例えられる事が多い。北の水とは、高尾山のことだろうか。高尾山の土壌はスポンジのように水を吸い込み豊かな自然を育んでいる。土方は花の句を好んで多く詠んでいるので高尾山はお気に入りの場所だったのではないだろうか。
山の南は南山をさしていると思う。春の月は土方はほかの句でもよく使っているので山南の事ではないようだ。
まとめ
水の北→高尾山
山の南→南山
春の月→土方歳三の好きな語句
どうやら、山南敬助を慕い詠んだというのは間違いらしい。
これは、私の考えであって真実は豊玉のみぞ知る。
山の南
春の月
この川柳は、後の新撰組副長土方歳三が若き日に詠んだ豊玉発句集の一首。俗説では、後の新撰組総長となる山南敬助を慕い詠んだと云われる。対してこの句は情景を詠んだとする説が一般的だろうか。山南敬助は、切腹し果てた。近藤土方と意見対立し不仲となり切腹に追い込まれたとか伊東甲子太郎の尊王思想に共鳴したとか、伊東に参謀の地位をとられ自暴自棄になっていたとか諸説あるが確かな資料がないので想像の域を出ない。
土方の句は情景を詠むものが圧倒的に多い、自身を詠んだものもある。他者を詠んだと思われるものもある。しかし個人を特定する句はない。この句が山南を詠んだ句と考えるとこの一首のみなので土方は山南に特別な感情を抱いていたことになり不仲説を崩す突破口となる。
俗説でこの句を説明してみる。水の北は、土方の育った多摩川をさしその北にある山南の故郷仙台のこと。山の南は山南敬助。春の月は、山南の人柄だろうか。筋は通っている。
では、情景説ではどうなるだろうか。水の北とは、多摩川の北。山の南とは何かよくわからないがどこかの山の南から春の月を見たと解釈できる。つまり北に山または丘が見え南に川や海などの水がある場所で月を見たのだろうか。
山について、地元にお住まいの多摩の田舎者師匠に助言を求めたところ、高尾山が一番に思いつくとの返答がきた。高尾山は、東京の人なら誰でも登ったことがあるような身近な山。地図で確認すると、土方の生家から西に位置していた。高尾山の南には津久井湖があり情景も一致。そして、驚きの発見。
津久井湖の南にある山がある。その名も南山…山の南とは方角をさすと考えていたが山の名称である可能性が出てきた。南山の南には宮ヶ瀬湖があり情景も一致する。南山と高尾山どちらが本命なのかまだ結論を出せない。
南山が本命だとすると南山と山の南を掛けた言葉遊びだろうか。
津久井湖と宮ヶ瀬湖について調べてみた。この二つはダム湖であり江戸時代には存在しない。水の正体は振り出しに戻った。
水と北について調べてみる。この水自体に北という意味が入っていた。昔の神獣の話し、青龍とか白虎といった神獣にはそれぞれ守護する方角があり、玄武は北を守る。玄武は水生生物の亀なので玄武=水=北ということらしい。
高尾山について調べてみた。高尾山は、水が豊富にあるので水袋に例えられる事が多い。北の水とは、高尾山のことだろうか。高尾山の土壌はスポンジのように水を吸い込み豊かな自然を育んでいる。土方は花の句を好んで多く詠んでいるので高尾山はお気に入りの場所だったのではないだろうか。
山の南は南山をさしていると思う。春の月は土方はほかの句でもよく使っているので山南の事ではないようだ。
まとめ
水の北→高尾山
山の南→南山
春の月→土方歳三の好きな語句
どうやら、山南敬助を慕い詠んだというのは間違いらしい。
これは、私の考えであって真実は豊玉のみぞ知る。