もぁらすの遊び場 -30ページ目

 

 

好きになった人の口から出てくるのは、自分の名前じゃない、別の女の子の名前。

 

 

 

 

 

「なーなー。田村ー」

 

 

クラスが同じで、同じ教室の中だけならまだ我慢ができる。

 

 

でも、

 

 

 

部活中でも、宮崎くんはそのこの名前を口にする。

 

 

 

 

 

 

「お前、もう告っちゃえよ」

 

 

「そんなんじゃないんっす」

 

 

 

 

 

 

はそう言ってるけど、全然まんざらじゃなさそう。

 

 

 

当の本人の田村さんは鈍感すぎて、全然気が付いてなさそうだからいいけど。

 

 

 

 

 

「別にさ、宮崎じゃなくてさ」

 

 

 

そう、聞こえてきた声に、私は耳をダンボにした。

 

 

「じゃ、なに?誰でもいいの?好きな人いないの」

 

 

愛子ちゃんが実花ちゃんにそう言っているとき、このチャンスを逃しちゃいけない、そう思った。

 

 

 

 

 

「実花ちゃんには、長嶺先輩ってかんじ」

 

 

 

 

 

 

長嶺先輩なら、宮崎くんよりは人気がないけど同じくらいかっこいいから、いいでしょ。

 

 

 

だから、宮崎くんのこと、好きにならないでほしい。

 

 

 

 

 

「長嶺先輩?」

 

 

けど、実花ちゃんは長嶺先輩にもピンと来ないのか、きょとんとした顔をしていた。

 

 

 

でも、安心できない。

 

興味がない、って顔をしてる子が一番、油断がならないんだから!

 

 

 

 

私は、部活の合間

 

 

長嶺先輩が一人きりのところを狙って、話しかけた。

 

 

 

 

 

「田村さんて、長嶺先輩が好きなんですよ」

 

 

 

 

長嶺先輩の浮いた話は聞いたことがないけど、

 

 

 

私はそうやって長嶺先輩に嘘を教えた。

 

 

 

 

その後、効果は全然なくってがっかりした。