あおいのてくてく江の島編
の続きだよ。
お散歩バッグの中で
いい気分で揺られていたあおっちだけど
古い石鳥居が見えてきた辺りで目が覚めたんだ。
これはね、源頼朝が鎌倉幕府成立の際に
奥州藤原氏を征するために
この地に弁財天を勧請しようとして寄進した
有名な石鳥居なんだって。
そしてこの石鳥居をくぐると
この日、あおっちの最後のミッション
３にん目の女神様、奥津宮（おくつみや）の多紀理比賣命（たぎりひめのみこと）
のお社に到着したんだ。
まだちょっとお眠なあおっち。
拝殿に大きなしゃもじを発見！
奥津宮にしゃもじを奉納すると
音楽や芸術の才能を授かると信じられているんだって。
弁財天の持つ琵琶に形が似ているしね。
そういえば、宮島の厳島神社にも
たくさんのしゃもじが奉納されていたよね。
それとね、ここでは天井にある亀の絵が有名なんだって
江戸時代の絵師が描いた本物は大切に保管されていて
これはそれを復元したものらしい。
どの角度から見てもこちらを睨んでいるように見える
「八方睨みの亀」なんだって。
こうして３つのお宮で３にんの女神様をお参りして
あおっちのミッションは無事完了
海や水の安全、幸運や財力、どうそよろしくお願いします
あとは湾沿いをのんびり散策しながら帰るとするか
島の至る所に、ちまさんが昔来た時にはなかったような
モニュメントがたくさんできていて
この島が人気のある観光地だってことが
改めてわかったよ。
眼下に海が迫って来る風景は圧巻。
浅瀬になっているところは
海水で削られて平坦になった岩盤が隆起していて
「稚児が淵」と呼ばれているんだって。
鎌倉時代、高僧に好意を寄せられた稚児が
思い悩んで身を投げた場所だから
その名が付いたらしい。
女人禁制のお寺では
美しい容貌をした少年が見初められることが
よくあったみたいだよ。
そしてこの日、最後に向かったのは
島の最奥部にある岩屋洞窟。
混雑期はわからないけど
この時はキャリー等に身体が全部入っていれば
ペットさんも可だったんだ。
ってことで、あおっちは再びお昼寝タイムに突入
波の浸食によってできたこの洞窟では
かつて弘法大師や日蓮上人が修行したり
源頼朝も戦勝祈願に訪れたりしたんだって。
洞窟の一番奥には
江の島信仰の発祥の地とされる小さな祠があったよ。
それは源頼朝の時代よりずっと昔
５５２年に欽明天皇が初めて神様をお祀りした場所なんだって
そして弁天橋から相模湾を振り返ると
とても美しい黄昏時。
今日も一日、大切な想い出を築けたことへの喜びと
もう２度と訪れることはないという少しの淋しさで
胸にじんと迫るものがあったんだ。
あ、ちなみにこの日、ちまさんの夜ご飯が
帰りの駅で買った崎陽軒のシウマイ弁当だったってことも
書いておかないとね。
昔好きでよく食べたんだって。
懐かしい味、次に食べられるのはいつになるかな
この夏は連日の猛暑に加えて
地震や台風の脅威も目の当たりにして
何てことの無い日々の生活が
とてもありがたく感じられたよ。
そして、心赴くままに過ごすことのできる時間って
とても限られているものだから
一日一日をなるべく丁寧に過ごしたいなって、思ったんだ。
厳しい残暑にもやがて終わりが来て
風の音や虫の音
野辺の花達にも秋を感じられるようになるよ。
そしたらまた、お散歩に繰り出そう
by あおい♀