見えない鎖 -2ページ目

見えない鎖

逃げられない・・・あがなえない・・・従うだけ・・・

その身はなんの拘束もされずとも
快楽という呪縛に縛られ
自由を奪われることを自ら望む・・・

ボックス内の照明にライトアップされた中、僕は一人で行為に没頭していました。

左手はポロシャツをめくりあげ、胸の敏感な部分を転がし、ジーパンと下着を膝まで下ろし、右手で男性としての快楽をむさほっていました。

いつもしている本気の一人遊び。

僕は、いつ誰に見られるかも知れない環境で、
そしてすでに存在する二人のギャラリーの前で、その遊びの虜になっていました。

(初対面の同性の前でこんな見せ物にするなんて……ひどい)
(お願いだから、こんなとこ見ないで)
(年下の男性の前で……なんて惨めなの)

僕は熱のこもるボックス内で、言葉で被虐感を煽りながら刺激を与え続けました。

ガラス越しにお二人の姿が目に入ります。
二人は言葉を交わしながら、時折大きなアクションで笑っています。
会話の内容は僕の耳には届きません。

でも僕の中では……

(きっと……こんなはしたない僕を二人で笑い者にしてるんだ。
二人で罵倒し、汚い言葉を吐きかけてるんだ)

そんな妄想を膨らまし、さらに左手を激しく動かし、右手で熱くなった部分をいたぶり続けました。

誰かに見つかったら、もう終わりなのに……
なんで僕はこんなに……

視界がボーッとなり、ガラス越しの二人の姿が白いモヤの向こうに

僕はどんどん、自分だけの世界に深くに溺れていきました。

(バンバンバン!)

不意に現実に戻す騒音が……






「出ておいで。」

それはご主人が様が僕を現実に戻す合図でした。

「続きは車でね。」

そこには、ご主人様の満足そうな笑みを浮かべた顔がありました。