[4753]マンガ『ヤマノススメ』⑤…しろ その2

 始めの3話は木曾駒ケ岳編の続き。ほのかさんの被写体になったここなちゃんやバリエーションルートを制覇したあおいなど、パーティー運営では成果があった登山。でも、そもそもは山の中での星空観測が言いだしっぺのほのかさんの目的だったけど、青空だった昼間に対し、夕方から雲が出始めた。結局ほのかさんの当初の目的は出来なかったけど、「簡単にいつも撮れちゃったら…面白くない…」。年齢のわりに泊り登山を多くやっている者の発言かと。
 またほのかさんの人間分析が面白く。

あおい「でも…もったいないなぁ。せっかくの朝日なのに…」
ほのか「ひなたちゃんは多分景色より、人と触れ合うことのほうが大事なんだと思う…。きっともう十分楽しんだんじゃないかな」

 言っているほのかさんの方は写せる物に興味がある。あおいはちょうど中間で、人との関わりの大切さと面白さとともに、山を通して大自然の景色にも興味を持つ。山の雄大な影を見たり、寝っ転がってあたたかくなる身体を気持ちいいと感じることも、自然に直接触れたからの感慨だから。木曾駒ケ岳編の終わりはここなちゃんへのほのかさんの昔語り。初めてのテント泊の話で、だから多分、過去一年以内の話。
 やはり曇り日で天の川が観れなくシュラフに入ったが寝付かれず、結局はシュラフに改めて入って本を読んだが読みづらく、いつの間にかの寝落ち。しかし外が騒がしくなったので醒めてしまい、煩わしく思う。だが「わー」、「すげー空」などの声に促され、テントを出ることに。雄大な夜空に圧倒されるが、すぐにカメラを用意を。でも「その間自分の目で見れないなんて、ちょっともったいない」と思い、撮影をほどほどにして自分の目だけで夜空を眺め。
 次はバイトのお金の使い方の話で、あおいの性格の良さが伝わる回で。次の5話目から二学期で、まずはあおいがクラスメイトからカラオケに誘われ。放送中のサードシーズンで観賞済みですが、アニメ版とは違いがあるのですね。アニメではひなたが糸を引いていると窺えるのですが、原作では自発的にあおいに声をかけてくれたという描写。
 次の話は登山部。サードシーズンでは省かれたみたいですが、登山にも種類があるとあおいが気づく回なので意外に重要と私は考え。次はアニメでは未見のブラジャー選びの回で、本巻の最後は筑波山へのナイトハイクというもの。あおいから誘ったひなたとの二人パーティーの登山という意味で、二人が高校最初に登った天覧山と対照して論じることができると思うのですよ。しかも天覧山は昼で筑波山は夜に登った山。あおいの登山者としての技術と体力の向上を窺えるとともに、次の巻から「昼の物語」になると憶測できる終わり方と思うのです。
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